東京名古屋間の快速

 

エルンスト・ウルリヒ・フォン・ヴァイツゼカーの"Erdpolitik"(たしか「地球環境政治」という題で邦訳が出ていた)という本を読んでいたら、「金が掛かるからという理由で旅行を諦めてしまったり、黒鉛を撒き散らすポンコツ車をガタガタ走らせている層を鉄道に取り戻すために、三等車を復活させよ」とあって、提案の具体性に刺激を受けました。

金の問題で自家用車で長距離を移動している人や、高速バスの乗客を鉄道に呼び戻すために、長距離の快速を、昼行、夜行とも走らせることを検討できないものでしょうか。
次回のシンポジウム(「どうなる?夜行列車―“環境の時代”における鉄道ネットワークの活用を考える」)のタイトル中にある「鉄道ネットワークの活用」のためには、列車が長距離運行されることは重要な要件なのではないかと思います。

いくつかの路線を頭に思い浮かべてはいますが、需要という点から最も採算性がありそうなところとして、東京名古屋間の快速を検討できないかと思っています。

私が調べたところ、JRバスの東京−名古屋間はスーパーライナーという最速の便で5時間19分かかり5100円です。
同じ区間をほぼ同じ時間で、運賃は現行の6090円で走れれば、競争力はあるのではと思います。

高速バスの利点には
1) 少ない乗客を一便として、頻繁に走行させることが出来る。
2) 出発地と目的地を任意に設定できるので、乗客は乗り換えなしで済む。
といったことが挙げられると思いますが、それに対して
1) 東京、名古屋にはそれぞれ快速が走っているのだから、それらを結ぶと考えれば相当の頻度を確保できるはず。
2) この点については東京発着にせず、千葉発と大宮発新宿経由を交互に走らせたらどうか。

私が上で考えているようなことは、18族の人ならばきっと夢見ていることではないかと思います。
素人発想かとも思いますが、福井で行事があったとき、一度在来線で帰ってみようと試みた際の実体験で、在来線はなぜぶつ切り走行なのか、これが長距離連続走行してくれたら時間の無駄がないのにと感じました。

もしかしたらJRはこだまや特急東海の客が流れることを恐れているのかもしれませんが、現実には高速バスに流れているのではないでしょうか。

私が考えるような長距離快速の実現を阻んでいる要因があるのだとしたら、どなたか教えて下さい。

2002/11/9 「全国鉄道利用者会議」メーリングリストへの投稿


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