ワイン・リンク集

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イタリア・ワイン


ワインの参考書

 

ワインに限らず、日本に輸入されている全ての海外のお酒についての最初の取っ掛かりとして是非一部手元に置きたいのは、
『世界の名酒事典』講談社
です。これは毎年新版が出されますが、一度買えばよいと思います。
私は'90年版と古本屋で入手した'80年版を持っています。古いものの方がお酒そのものについての説明は詳しいのですが、最新版を買うしかないでしょう。

ワインについて初心者から通人まで必携の一冊は、ワインの神様、ヒュー・ジョンソンの手になる
Hugh Johnson's Pocket Wine Book (Mitchell Beazley Publishers社ロンドン 初版は1977年)
これはオリジナルのイギリス版で、アメリカではSimon & Schuster社から
Hugh Johnson's Pocket Encyclopedia of Wine
というタイトルで出ています。私が所有しているのは後者の97年版です。
邦訳もあります。
ヒュー・ジョンソン著 辻静雄料理教育研究所 訳
『ポケット・ワイン・ブック[第4版]』 早川書房 2001/06 \4,000
日本語訳は元々は倒産してしまった鎌倉書房から出ていました。私は鎌倉書房の1993年度版を持っています。
これは毎年新版が出て、二年前のワインの出来具合、その年飲み頃になるワインなどの情報が載ります。邦訳はどうしても出版が多少遅れるので、最新情報が欲しい人は英語版を買うのがよいでしょう。
私が最初に買ったのは90年のドイツ語版でした。ドイツではこの本はDer kleine Johnson「小ジョンソン」と呼び習わされていて、それは神様ジョンソンには別にDer grosse Johnson「大ジョンソン」、英語の原著では、
Hugh Johnson's Wine Companion (Mitchell Beazley Publishers社 初版は1983年)
と題される著作があるからで、これは世界のワインについての浩瀚な著述です。
私の知る限り、この重要な著作の邦訳は出ていません。

もう一冊、ワインを勉強するために不可避の書でありながら邦訳の出ていないものに、ヒュー・ジョンソンの弟子、ロビンソンの
Jancis Robinson: " Vines, Grapes and Wines "(Mitchell Beazley Publishers社 初版は1986年)
があります。このタイトルは「葡萄の樹、葡萄の実、葡萄の酒」とでも訳出すべきなのか、ともあれ葡萄の品種について勉強するためには最上の参考書です。そしてワイン学においては葡萄の品種が必須の教科であることを考えれば、この本はどうしても買う必要があるのです。

ヒュー・ジョンソンがイギリスのワイン批評界の権威であるとするなら、100点満点の点数制でワイン批評の世界に新風を吹き込んだのがアメリカのワイン批評界の雄、ロバート・パーカーです。
ジョンソン同様、パーカーにも多数の著作がありますが、これ一冊というと、

Robert M. Parker, Jr.: "Parker's Wine Buyer's Guide"
でしょう。私はSimon & Schuster社から出ているペーパーバックの第四版(1995)を所有しています。
ところでヒュー・ジョンソンはロバート・パーカーの批評の態度・方法を厳しく批判していて、次のようなことを語っています。 引用元

 「私が残念に思ってみているのは、アメリカのロバート・パーカー氏がやっていることです。彼はとにかくオーク樽の香りが強くてソフトなワインを高く評価します。彼の好みがこれだけはっきりしていると、彼のスコアシステムでいい点を取ろうと思うワイン醸造家たちはみな、パーカー好みのワインを造るようになります。しかし結果としてそれがいいワインかというと、必ずしもそうではないと思うのです。私はパーカー氏のやり方に反対です。というのもたった一人の人間の好みでは伝統をつぶし、ワインに悲劇をもたらすことになると考えるからです。
 一般的にアメリカ人は、「ベストのものを今すぐ持ってこい」です。まったく忍耐がない。そして微妙な違いを大切にしないのです。でもワインは多様性を楽しむものです。だから私たちは困るといっているのです。
 もっともフランスのワインジャーナリズムは期待できません。批判眼がない。フランス産ワインであれば何でも素晴らしいというだけだから。」

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ワインに関するそのほかの参考書

ボルドー・ワインのバイブル
Marc-Henry Lemay: "Bordeaux et ses vins"  Editions Feret社
見事なワインレッド色で装丁されたこの本のタイトルはずばり『ボルドーとそのワイン』。
初版が出されたのは何と1845年のこと。私が所有しているのは第15版です。

『日本ソムリエ協会教本』


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