ワインの評価 1997年

Minervois, 12%, Bernard Jeanjean (Saint-Felix de Lodez, Herault)ネゴシアン
1997・1・1   あつた 800円
待った甲斐があった。ワインレッドの色が暗くなり始めている。熟成香も出始めている。ミネルヴォワが北にあるせいか、酸はまだまだ強い。荒々しい雑な渋みが丸くなって飲み易くなっている。だがボディはとにかく軽い。

St-*milion, '81, Ch.Fleurus, 12%,  城詰にあらず
1997・1・2   蔵人 1980円
揺すると香りが出てきた。いくら古くてもこんなに痩せていては駄目。初めは買うつもりはなかったのだが、正月用にすぐ飲めるよう買ってきてもらって飲んだが、やはり無名の生産者では駄目。もういい加減古い年号に無根拠にこだわるのは止めよう。

Nuits-St.Georges Les Damodes(一級畑)'96,  13.5%,
Dom.Machard de Gramont(Propri*taire)  Domaine詰
1997・1・2   蔵人 3600円
かなり熟成した色、凝縮した香り。これは相当新樽を使っている。僕はブルゴーニュでこれ程充実したボディを持ったワイン飲んだことがあったろうか。これは値段に釣り合った名ワイン。

South Eastern Australia, Orlando Jacob's Creek, Shiraz Cabernet, '94, 12.5%,
1997・1・3   蔵人 710円
去年このワインの91年のものを飲んでいる。今思うに、このワインは2〜3年のうちに飲んでしまうのがbestだと思う。つまり売り出されたときが飲み頃。ベリーの香りがたっぷりあるうちに。タンニンの量から推測するに、葡萄はシラーが主体で、カベルネは支えにしている位だろう。オーク樽を適切な量使っている。葡萄の実は十分熟しているので、酸味は少なく、第一アロマがたっぷり。このちょっとくすんだ紫色はオーストラリアのシラーに特徴的なのだろうか?砂糖甘いのではない、フルーツの甘みを感じる。オーストラリアのシラーは甘くたわわに実った、ちょっと締まりのないグラマー美女。

G.Remy * Cerseuil(NM), Brut, 12%,    高崎屋 1980円
1997・1・6
これも高崎屋の棚晒しのシャンパンだが、やはり熟成が進んでいて飲み易くなっていた。僕はシャンパンがだんだん好きになってきた。

osterreichischer Sekt, Klostersekt Cuv*e Pinot Blanc Grand Reserve Brut, '86,
Stift Klosterneuburg,   高崎屋 1000円
1997・1・6
僕はもうSektなるものを買うのは止めにしたい。これはスティル・ワインとしてなら申し分のないものではないかと思う。しかしこの甘やかな、ドイツワイン的芳香の豊かなワインに、泡を加えなくてはならない必然性はどこにもない。

Rheingau, Kiedlicher Sandgrub Riesling Kabinett, '88, Erzeugerabfullung in '89, Freiherr Langwerth von Simmern,  9%,   高崎屋 0円
1997・1・10

Vosne-Roman*e Les Beaux Monts(一級), '72, Leroy, 13%,   高島屋 12000円
1997・1・10
色は縁のほうからオレンジ色になってきている。香りは立ち上がりから既にすばらしいものであるが、時間がたつに従って変化し、複雑さを増していった。まず花のような香り(また、フル−ティーなベリー類の香りにも欠けてはいない)、続いて燻したような煙の香り、そしてむっとするような香りが続く。これが本で言われている「なめし皮の香り」か?味は今までに味わったことのない複雑さでなかなか言葉にするのは難しい。酸味がかなり強いが、これは72年の特徴であるらしい。またピリッと舌をさすようなスパイシーな風味。コクも十分。余韻が長く、かすかな甘味さえ感じる。アルコールの力強さも感じるが、それでいてまろやかで上品。偉大なブルゴーニュはやはりすばらしい。いつかグラン・クリュも試してみたい。

Ahr Walporzheimer Klosterberg Portgieser Rotwein QbA, '94, 壜詰96年 9.5%
Abfuller St.Antonius Weinkellerei A.Biroth in Schweppenhausen, しまや 1040円
1997・
砂糖水ではない。だがそれよりは少しましという程度。飲み易いワインと言える。だが、飲み易いということの意味を非常に低いレベルでとらえたワイン。もう、やや甘口のポルトギーザーには目もくれまい。
飲めば飲むほど胸が悪くなる。

Mosel, M*llheimer Elisenberg Riesling QbA, Erzeugerabfullung in 85,Richtershof, 高崎屋 2000円→0円
1997・
腐っている。異臭がする。捨てた。

Soave Classico, '94, Orio, 11.5%,  蔵人 800円
1997・
ひどく薄い。こんなまずいソアーヴェは飲んだことがない。

Bordeaux, '90, Michel Lynch, 12.5%,  山田酒販 1200円
1997・
ACボルドーの酒質だが、樽を使ってうまくまとめてある。

Saumur, '93, M*daille Capus, Cave des Vignerons de Saumur a St.Cyr en Bourg M&L,12%,高崎屋 1350円
1997・
軽い感じだが、おいしい。いままでに飲んだことのあるどのシノンやブルグイユよりもよかった。

Sangiovese di Romagna, '92, Plauto, 12%, Premiovini, あつた 1500円
1997・
フルーティ。くだものの味のワイン。だが保管状態がよくなかったのか少し締まりがなくなっていた。でもおいしく飲めた。

Cotes du Roussillon, '79, Ch.de Canterrane, 12.5%, 蔵人 2680円
1997・
グルナーシュ100%と蔵人の人は言っていたが、それが信じがたくなる色の濃さ。芳香、味、ともによし。熟成感のあるワイン。

Graves sec, '93, Clos Floridene, 12%, Denis & Florence Dubourdieu,
1997・2・9   相定 2500円
すばらしいワイン。樽の芳香。こくがある。セミヨンを多く使っていると推測される。
年のわりには熟成感のあるワインだった。メチャクチャお買い得のグラーヴ。

Lacryma Christi del Vesuvio, '94, Cantine Grotta del Sole, Quarto, 12%,
1997・2・11  蔵人 1250円  料理:チキン・レバーのセージ焼き
無名のラクリマ・クリスティ。4時間前に抜栓し、2時間前にデカンタージュした。にもかかわらずたいした芳香は拝めなかった。ベリー系の色合と味で、飲み易く、おいしいイタリアの赤ではある。しかし、これがラクリマ・クリスティであるという個性的な特徴は窺い得なかった。

Bourgogne Hautes-C*tes de Nuits, '94, Dom.A.-F.Gros(Pommard), Mis au Domaine,
1997・2・15  蔵人 1800円 12.5%,
水っぽく、洋一氏にも論外と言われた。

Saint-Julien, '79, L*oville Las Cases,
1997・2・15  船橋西武 8200円
開栓した時の芳香はすばらしかった。好評ではあったが、ワイン自体が力を失いかけていた。でもこれは去年の秋に買ったものだから、購入したときにはもう既に老化していたはずだ。二級格付けでも、この年号を18年持たせるのは無理か。パーカーは来年を最後としているが、2年くらいは最低余裕を見る必要があるということか。
意外と軽やかなワイン。もっと重くて古めかしい感じを期待していたので、その意味ではちょっとがっかりしたが、それ自体としてはバランスのとれたなかなかのワイン。ただし、圧倒的な偉大さを感じさせるものではない。以前新宿で飲んだ90年のピション・ラランドもそうであったが、最近のボルドー(というよりサン・ジュリアン)は(熟成させれば向上するが、若くてもおいしいという)バランスのとれたワインづくりというコンセプトでワインを作っているのではないのだろうか。

Tokaji Asz* 4 Puttonyos(4篭ぶんの貴腐葡萄入り), '90, Hungarovin, 13.5%,
1997・2・15  蔵人 500ml 1330円 
三本目ゆえ、あまり記憶なし。酸味があっておいしかったはず。
甘味もさることながら、酸味も強烈で非常に印象的なワイン。ねっとりとして、実際の度数よりつよく感じる。貴腐ワインは甘味だけではなく(酸味など)その他の要素もすべて凝縮されているということか。ただ、もっと熟成させたらどうだろうか。此の強烈さがまろやかになれば、また違った味わいが生まれるのではないだろうか。試してみたい。

Alcamo, '93, Duca di Castelmonte-Pellegrino,  Catarratto種 高崎屋 980円
1997・2・19
シチリアの白。酸味の強い素敵なワイン。
南のワインのいいところだけがつまったワイン。フル−ティ−で酸っぱくて瑞々しく、それでいて決して水っぽいわけではない。ちょっと発泡していてピリピリしたところがあるのも魅力的。

Mittelrhein, '88, St.Goarshausener Loreleyfelsen, Riesling Spatlese, 8.5%, Erzeugerabfullung in '90, Gebiets-Winzergenossenschaft Rheingau Eltville, 
1997・2・22   マイショップチェーン(吉川のコンビニ) 1700円
これは面白い。ミッテルライン、ラインのふっくらとした感じと、モーゼルの峻厳さを合わせ持ったワイン。ただこれほどの厳しい酸味はモーゼルにはない。
極上の魅力的リースリング。ラインの出身だが、モーゼルのようなピリピリした感じがある。しかし、モーゼル独特の「切れ上がり」はなく、ガウの特徴であるまろやかさが感じられる。これはまさにモーゼルとガウの中間に位置するワインといってもよいだろう。改めてワインの味わいに風土・土壌の及ぼす影響の大きさに気付かされた。それにしても年齢を重ねたドイツワイン(リースリング)は素晴らしい。

Etna Bianco Superiore, '94, Villagrande, Vitigno:Carricante, 12%,
1997・2・28   船橋東武 2200円
よくあるタイプのイタリアワイン。クオリティー的には悪くない。軽く、フルーティーでかすかな酸味もある。少々発泡気味でぴりっとしていて食欲を増進させてくれる。前菜とともに飲むのにはぴったりだった。

Barolo Riserva, '74, Sordo Giovanni社 Sor* Gabutti-Serralunga d'Alba, 13.5%,
1997・2・28   蔵人 3600円
開けた直後はまだ香りが眠っている感じだったが、徐々に開いてきた。ピエモンテのワイン独特のすみれのような香り。渋みと酸味のバランスのとれた味も素晴らしい。バローロにしては年寄りだったのでどうかと思っていたのだが、まだまだしっかりした味わいであった。料理ともよく合っていた。

Sauternes, '88, Ch.Filhot, 14%,
1997・2・28   船橋西武 3880円
非常に素晴らしいワイン。独特のくせというか風味があり、酒精強化した甘口ワインにはない繊細な甘味をもっている。他の貴腐ワインもそうであったが、貴腐は単に甘味だけでなく、葡萄の持つその他の要素もすべて濃縮されるために、このような複雑な味を生むことができるのだろう。もとの葡萄についていた黴の風味もなんらかの影響を与えているのだろうか。

Vin Santo Toscano (VdT), '87, Machiavelli, 15%, マルバジア、トリビアーノ。
1997・2・28   船橋東武 ハーフボトル 1600円
当初甘口を期待していたのだが、予想に反してかなり辛口のワイン。シェリーによく似た風味があり、非常に個性的な味わいであった。おいしい。
はっきりとシェリーに似ているので、これはフローラを付けているのだろうと推測される。しかしアンダーソンにはそんなことは書いてなく、それどころか、しばしば酸化して駄目になったものに出会うなどと書いてある。だが、この瓶のヴィンサントはおいしいものであった。Mehr Ausk*nfte *ber diese Weinsorte!

Montepulciano d'Abruzzo, '94,    壜を捨ててしまったため、生産者名不明。
1997・3・    船橋東武 1200円
まずまずのイタリアの赤ワイン。

Pauillac, Ch.Pontet-Canet(5級), '75, Mis au Chateau,
1997・3・8  やまや新宿店 7000円
開栓したとき酸っぱい臭いがしたので心配した。色はかなり熟した土色になっていたが、渋みがまだ残っていて、感嘆した。まだしっかりしたものであった。
熟したベリーのような香りと土っぽい香りが交ざりあった芳香が魅力的。味は酸味と渋みのバランスがとれていて、なめらか。ふっくらとした味から、メルローを多めに使っていることが伺える。この年齢でまだ渋みがしっかりしているのはすごい。時間が経つにつれて滑らかさが増してきた。もっと早くデカンタージュしてもよかっただろう。

Rivera del Duero, '92, Vi*a Valduero, Bodegas Valduero,  12.5%, Gumiel del Mercado(Burgos)  高崎屋 1200円
1997・3・13
若々しい強い酸味。微発泡性に思える爽やかな刺激。まったく思ってもいなかったものが出てきた。これはポルトガルのVinho Verde と同じく、完熟する前の葡萄を使っているのではないかと思われる。Vinho Verde は、Douro 河沿いのスペイン国境近くで作られるものであるから、その上流のDuero 河沿いで作られていても少しも不思議ではない。それでもこの壜は、5年も経っているだけあって、少し熟した色をしていた。微かにかぐわしい香りもしていた。
最初はなにこれ?という感じだったが、味に馴れてくるとおいしさがわかってきた。変に青臭さと苦さのある「熟してない」味。これはこれでおいしい。しかし、ワインの歴史を考えてみると、こういった味の方が、スペインのような熱い国では、むしろ伝統的なワインと言えるのだろうか。これとジュウジュウ焼いた鰯はとても合いそうだ。いつか試してみたい。

Franken Dreieck, '90, Tauberrettersheimer K*nigin, Silvaner Sp*tlese, 10.5%, Gebiets-Winzergenossenschaft Franken Kitzingen, Erzeugerabf.in '92, 高崎屋0円
1997・3・15
辛口でなかなか飲みやすく、ジルヴァーナーのおいしさを感じた。ただやはりこの葡萄はシンプルな味。

Alsace, '93, Dom.Schoffit, Cuv*e Caroline, Harth, 13.5%, Gewurztraminer, 
1997・3・15  蔵人 1880円
意外なことに蜜のような甘口であった。香りは非常に複雑で、どう形容したらよいのか分からない。エキゾチック。パーカーの評語からみてみると、薔薇の香りといっていいのかもしれない。ライチの香りというのは非常に近いが、それがすべてではない。このワインは開栓するのが少し早すぎたのではないか。今の段階では、妙にアクが強すぎる。

Saumur, Ch.de Br*z*, Blanc de Blancs, 12.2%, シャンパン方式 Comte de Colbert,
1997・3・18  蔵人 0円? 
蔵人で過ごした月日は何年だったのか、熟成しきった濃い色合となっていた。泡立ちはきつい。熟成ゆえの芳香と苦みあり。酸味がきついが、これはシュナン・ブランであるせいか。この発泡ワインも、全体としてなにが魅力なのかはっきりしない。味をどの方向に持っていくつもりなのか分からない。

Maipo Valley, '94, Concha y Toro,Casillero del Diablo, Cabernet Sauvignon, 12.5%
1997・3・23  蔵人 900円
ACボルドーか、せいぜいスペリュールの水準。

Carneros (Sonoma), '89, Spiceling, made and bottled by Buena Vista, 11.5%,
1997・3・25  BIG青山店  1100円  リースリンクとゲヴュルツ
昔飲んだときより、甘い印象を受けた。今日買ってきてすぐに冷やしたが、冷やし方が足りなかった。だが、いずれにせよ、ドイツの名醸を色々飲んだ後では、それほどのものには思えなくなっているのかもしれない。

Beaujolais Blanc, '93, Ch.du Chatelard, Chardonnay Vieilles Vignes, 12.5%, Mis au Ch*teau, Robert Grossot(Propri*taire-R*coltant a Lanci*),
1997・3・30  良酒 1780円
水っぽくかつ妙に酸っぱい。コルク臭が移っているかのような苦みあり。

Saint-Est*phe, '86, Ch.Calon-S*gur, 12.5%,
1997・3・30  蔵人 5300円
ショック!香りは秀逸であり、タンニンもまだ十分以上に残っているのに、味が完全にばらばらになってしまっている。どうしよう、おろおろ。買ったときにすでにおかしかったのか、それとも家でおかしくなったのか、しくしく。

Taurasi, '89, Mastroberardino, Radici, 13%,   船橋東武 3810円
1997・4・4
ジョンソン96によって無視されていたのでさっさと開けてしまった。眠れる巨人といった感じ。アルコールの強さを感じた。

Crozes-Hermitage, '91, Ch.Curson, 12.5%, 成城石井−高崎屋 1800円
Mis au Chateau par Etienne et Edouard Pochon, Propri*taires Eleveurs * Curson,
1997・4・7
色からして結構熟し始めていた。刺激みのあるタンニンはもうなく、まろやかであるのだが、なぜか甘味を感じてしまう。オーストラリアのシラーでも実は同じようなまろやかな甘味を感じてしまうことがあった。これはシラーの特徴なのであろうか。アルコール度が上がってもよいからもっと最後まできっちりと発酵をさせるべきなのではないか。

Mendoza, '94, Argenta, produced and estate-bottled by Finca Flichman, 11.5%,
1997・4・10   相定 650円
サンジョベーゼ主体。フリッチマン社の畑は、アンデス山脈の麓、メンドーサ地区のバランカスという町にあります。同地区は標高680メートルに位置している。
確かにサンジョベーゼ種特有の軽さと酸味がある。色が薄いというよりは、水っぽい色をしている。それほど悪くもないが、これなら最低のキアンティを買ったほうがよい。

Maipo Valley, '95, Concha y Toro,Casillero del Diablo, Chardonnay, 13%,
1997・4・12   蔵人 900円
シャルドネの香りがちゃんとする。やはりいくらか薄いとは感じるが、この価格ではまずまずの飲み物。やはりシャルドネは、テーブルワインの白を作るには打ってつけの品種である。

Vin de Corse Porto-Vecchio, '88, Dom.de Torraccia, 12%, Mis au Domaine C.Imbert Proprietaire Recoltant a Lecci de Porto-Vecchio,
1997・4・17   船橋東武 2500円
Roger Vossによれば土地の葡萄品種をグルナーシュとサンソー、それにいくらかのシラーで補っている。土地の葡萄品種というのが Nielluccio であるのかSciacarello であるのかは書いてないが、ロビンソンの記述からみると後者を用いていることは予想される。前者も使っているかは分からない。十分に熟した色合いで、フィルタリングなどまっぴら御免といった微粒の屑が浮遊している。香りはフランス南部の香りに、かなり癖のあるいくらか生臭い匂いが混じっている。恐らく醸造の工程に伝統的な方法がかなり残っているのであろう。茎や梗も一緒に醗酵させているのであろう。味はサルジニア島のカンノナウ(グルナーシュ)を思わせる仄かな甘味がある。またたいへん香辛味がある。非常に個性的なすぐれたワインである。
良くも悪くも「雑味のある味」。個性的な、いささか田舎臭いワイン。味は濃厚で複雑。いささか熟しすぎた果実のような香り。

Barolo, 90', Fontanafredda, 13.5%,    大林 2370円
1997・4・24
ジョンソンさんにまだと書いてあるのにうっかり開けてしまった。というのも、いくらかは、畑の名もなく、リセルバでもない素フォンタナフレッダを少しなめていた気もなかったでもなかった。柳屋の春夏のカタログに別の90年バローロがあったせいもある。僕はまだ若すぎるバローロという失敗はしたことがないと思う。言い換えれば、僕はバローロの偉大さに改めてこういう形で目覚めたのだとも言える。ともかくまだまだ力を秘めたワインであった。

Saint-Aubin "En Remilly"一級畑 '92, 13.5%, mis au Domaine par Gilles Bouton,
1997・4・27   相定 3350円 ミツミからの流出品
上野に出掛ける前、二時頃に冷蔵庫に入れていって、九時半ごろに飲んだが、明らかに冷やし過ぎであった。もっと豊かな芳香と複雑な味わいが楽しめたはずなのに、残念であった。味はいずれにせよ引き締まった、辛口のものであったろう。

Tavrida, '37, Black Muscat, The Massandra Collection, 12%, The Massandra Imperial Winery, Yalta, Crimean Republic, Ukraine,
1997・5・3   しまや(輸入元)  3万5千円
ポート風の酒精強化ワイン。凝集されきった味。非常に甘いが、酸味があるので飲み易くなっている。本当に凝縮の味なので、がぶがぶ飲むものではない。最高水準のクオリティ。

Pouilly Fum*, '94, "Les Coques", Patrick Coulbois(Propri*taire-R*coltant),12.5%
1997・5・3   柳屋 1880円  吉川で
上質。酸味あり。

Rheingau, '88, Erbacher Schlossberg Riesling Kabinett, 9.0%, Schloss Reinharthausen, Prinz Friedrich von Preussen, Erzeugerabf*llung in '89,
1997・5・3   高崎屋 0円    吉川で
ドイツワインとしても、いつになく酸味の強いものだった。

Chianti Classico Riserva, '90, Laborel(Melini), 12.5%
1997・5・3   大林 1550円  吉川で

Haut-M*doc, '89, Ch.de Lamarque, 12.5%
1997・5・3   蔵人 2250円  吉川で

Barolo Riserva, '82, Fontanafredda, 13.5%,
1997・5・4   蔵人 3500円
少し冷やしておけばよかった。

Bordeaux Cotes de France, '88, Ch.Puygueraud, 12.5%,
1997・5・4   蔵人 2600円
まさに飲みごろ。メルローの柔らかさをもつ。実によくバランスのとれた名ワイン。

Albana di Romagna, '95, Fattoria Paradiso, Vigna dell'Olivo Mario Pezzi Viticoltore, 12.5%
1997・5・11   船橋東武 1600円
なにゆえなったか分からないと、評判の悪いイタリア最初のDOCGであるが、やはりDOCGになると課せられる義務が厳しいのか、これは極めて凝縮度の高いワインである。香り、酸味、(南の白に特有の)苦み、旨味、どれもむしろ濃厚すぎるくらい。だがたいへんクオリティの高いワインであることには間違いない。イタリアの白でこのようなものに巡り合うことはまずない。

Pfalz, Essinger Rossberg QbA Dornfelder, '92, shipped by Dr.Strieth Selection, Estate bottled, 94年壜詰    あつた 1200円
1997・5・16
色は鮮やかな紫色。ドイツワインにしては非常によく発色している。どうもこれは樽買いもののような気がする。やはりあつたで買った南仏のワインのような平均化された質を感じる。5年経ってまだまだ新鮮なワインではあるが、これから発展していきそうなものでもない。ドイツの赤によくある甘さはまったくなく、気持ち良く飲めるものではあった。ただドルンフェルダーということで特色あるものを期待していたが、特に面白いものではなかった。
特にどうということもない。まずくはないが、かといって特においしいわけでもない。甘ったるくないのだけが唯一の取り柄か。ドイツの赤には毎回がっかりさせられる。フランケンのピノ・ノワ−ルに期待したい。

Rioja, '93, Bodegas Montecillo(Fuenmayor) Vi*a Cumbrero, 12.5%, Crianza,
1997・5・21     蔵人 900円
バニラの匂いはあからさまではないが、軽くした。ちょうどよく飲み頃に熟していた。若いリオハにこんな魅力があったとは、ちょっとキアンティ的に利用できる。信頼できる安ワイン。いや、素キアンティよりはずっと熟成感が味わえた。Crianza は二年熟成、その内一年はオーク樽の中でなくてはならないのだから当然とも言える。

Friuli Grave Cabernet, '93, Cantine Duca Catemario, Corno di Rosazzo, Udine, 12%Imbottigliato da Colrosazzo S.P.A.  蔵人 1250円
1997・5・23
イタリアの赤ワイン特有の酸味と透明感のある軽いワイン。カベルネ特有の香りあり。カベルネの香りのするイタリアの赤として、多少の興味は沸くが、たいしたワインでもない。ボルドーのカベルネのような重みは全くない。

Bordeaux Sup*rieur, '90, Ch.Recougne, Les Vignobles Jean Milhade, 13%,
1997・5・28   蔵人 1150円
熟して飲み頃になっていた。ちょっとだらしなくなっていた。他のワイン達が心配。ぬるかったせいもあるか。ただ味としてはそれなりのものであった。

Fixin, '93, *lev* et mis en bouteille par Roux P*re & Fils, 12.5%,
1997・5・29   高崎屋 1500円
値段の割りにはよかった。

Cannonau di Sardegna, '92, Sella & Mosca, 12.5%,
1997・6・4    船橋東武 1800円
久々飲みごたえのあるワイン。色からして推測できたが、ちょうどよく熟していた。それもしっかりとしたタンニンがあったのが5年たってよくこなれたという感じ。いかにも南の国のワインという味わいで、どこかマデイラを思わせた。

Ribera del Duero, '86, Bodegas y Vi*edos, Vega Sicilia, Tinto《Valbuena》5. 13%
1997・6・12   やまや 9000円
葡萄はテンプラニーロ100%だと思う。色はまだまだ鮮明。芳香はすばらしい、ブルゴーニュ系。共通しているのはやはり樫樽の香りか。味のほう、というより造りだが、どこか弱々しい。繊細(かつエレガント)なワインと言っているが、パンチの弱いワインに感じられる。この冬に買ったものだから家でへたったとは思えない。このスペインの高名なワインの弟分、9000円の価値はありやなしや。

Haut-Medoc, '86, Ch.Camensac, 12.7%, 高崎屋 2300円
1997・6・19
かすかに渋みは残るが、ちょうど飲み頃か。ボルドーの香りはし、締まってはいるが、それ以上には行かない。今一つ。

Western Cape, Muscat d'Alexandrie, '96, Sable View, Stellenbosch, 10.5%,
1997・6・22  サンクス 800円
German Style Zuckerwasser.
ワインのおいしさというものを非常に低い水準で考えた代物。
甘い、水っぽい。ドイツの安ワインによくあるタイプの味。日本にもこのタイプのワインのファンは多い。ひどいもんだ。しかし、ジュースと思えば結構おいしいともいえなくもない。

Chablis Grand Cru Grenouille, '89, Gaec du Domaine de Chateau Grenouille, 13%,
1997・7・13   相定 4548円 銀座ミツミからの流れもの
まず色に驚いた。もっと薄い色だと思っていたのだが、予想に反してかなり熟成した感じの黄色だった。香りはりんごとレモンを足したような、またパインのような香りで、一瞬南のワインかと思わせるほど。香りのたち方は「花の開いたよう」というよりは、ジワッと底の方から立ち上がってくるような感じだった。味の方はかなり個性的かつ独自のもの。香りの甘さに反して極限的に辛く、北方の出自を裏切らない酸味とミネラル感。アルコールの強さも感じるが、不快なアルコール感は全く無い。こくもあり、凝縮された味わい。しかし、おおよそ俗受けするような味の作りではなく、かなりそっけない感じのする、「いやならやめな」といわんばかりの通むけワイン。一般的なシャブリのイメージとはかなり違うと思われるが、これがグランクリュなのか?それともこのワインそのものが、シャブリの中でも特に独創的なものなのか?他と飲み比べてみたい。しかし、こんなワインで商売してたミツミ、つぶれたのは当然か。
パインジュースの色。かなり葡萄を熟させてから摘み取っているのだろう。そしてそのジュースを完全に発酵させ切っているのだと思う。香辛みがかなりあった。厳しいワイン。

St-*milion Grand Cru Class*, '92,       Mer55%,CF40%,CS5%.
Ch.Canon-la-Gaffeli*re (Comtes de Neipperg), 12.5%,  蔵人 2700円
1997・7・15
色は濃厚。デカンタージュしていないのに良い香りがじっくり昇ってくる。開けて直ぐは樽の香りだったが(新樽を相当使っているのであろう。50%,40-80%)、数時間経つと、生木の据えた香りがする。じつに柔らかいワインで、完全に熟し切っており、刺激的な渋みは全く無い。あまり出来の良くない年であるはずだがそのことはあまり感じさせない。僕はサン・テミリオンでこんな満足を感じたことがこれまであったろうか。少し甘やかで、飲んでいておいしいワイン。これだけでおいしく、つまみをあまり必要としない。 だがなんといってもポイントは、樽香、生木臭さ、燻した臭いなどが、そのままおいしさとなっていっている点にある。口のなかに複雑な味が残るおいしさなのだ。

Franken, Viereck, '93, Kreuzwertheimer Kaffelstein Spatburgunder Kabinett - Trocken, 12%, Bayerischer Landesanstalt fur Weinbau und Gartenbau, Staatlicher Hafkeller, Wurzburg, Gutsabfullung, 94年壜詰
1997・7・18   しまや 2400円
ドイツによくある甘ったるい、いささか胸の悪くなるような芳香を持った赤ワインから、甘味だけを取り去って、Trocken にしましたといった感じ。パーカーさんと同じように、僕もドイツの赤ワインには見切りを付けたくなる。しかもこの価格。まーったく、うんざり。熟成具合は程よいところ。少々、土色がついてきている。軽いワイン。酸味が強い。渋みは少し。

Vin de Pays de l'Ile de Beaut*, '93, Cabernet Sauvignon, 12%, Vigneron des Pi*v, Cuv*e San Michele, Sica Uval a Borgo,
1997・7・23   相定 600円
このワインは値段が安いのがあだとなった。裏ラベルには98年からと書いておいたのだが、他に安いワインがなかったのでつい開けてしまった。樽の香りがする高品質ワイン。若々しい色合いで、収斂性の渋みも残っており、やはりもう一年置いておいたほうがよかった。だが重いものではないので、飲みにくいということもなく、若いうちに楽しむのも悪くはなかった。味はやはり、南部フランスのカベルネの濃い味。葡萄の完熟度が高いのであろう。この手のものはやはり若く飲むのがいいのかもしれない。

Soave Classico Superiore, '95, Cadis, Cantina di Soave, 相定 1060円
1997・7・30
平均以下のソアーヴェ。特に記す価値なし。

Napa Valley, '93, produced by Silverado Hill Cellars, Chardonnay, 13%,
1997・8・4   相定 1580円
値段相応のシャルドネ。

Lacrjma Christj del Vesuvio Bianco, '94, Caputo, 12%,  相定 1290円
1997・8・4
やはりこれもありふれた、値段相応のイタリアの白。

Ghemme, '88, Barni(Calamandrana), 12%, 伊勢丹 2500円
1997・8・4
バローロと比べるとかなり薄いワイン。

Penedes, '87, Torres Gran Coronas, 12%,   丸山 2480円
主としてカベルネ・ソーヴィニョンとテンプラニーロ
ステンレス樽醗酵。アメリカ産新樫樽で6ヵ月醸造???その後2〜3年樽熟成。
1997・8・4
これは熟成感があっておいしく飲めるワイン。

Barolo, '85, Fontanafredda, Vigna Gattinera, 13.5%,  蔵人 3600円
1997・8・4

Pfalz D*rkheimer Schenkenb*hl(Groslage), Beerenauslese, '94, Scheurebe, 8%, Vier Jahreszeiten Winzer eG, 95年壜詰  船橋西武 2000円
1997・8・4
甘味の濃い、大変すばらしい蜜ワイン。

Chablis Grand Cru Grenouilles, '89, mise au domaine de la Maladi*re, 12.5%,
1997・8・7    相定 ハーフボトル 2150円
前に飲んだシャブリよりはいくぶん愛想のいいワインではあったが、それでも万人向けではない。味の方向としては、以前のシャブリと同じ。こちらの方がいささか角のとれたような感じがするのは、ハーフボトルで熟成が早かったせいか?辛口、ぴりぴりする。これがグランクリュの特徴だろうか。

Pauillac, '79, Ch.Latour,   船橋西武 12800円
1997・8・7
まだもうちょっと若いのか、それと少しへたっているのか、このワインが持っていなくてはならないはずのパワーを実感できなかった。味は濃かった。

Alexander Valley, '87, Ferrari-Carano, Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Merlot, Petit Verdot and Malbec,
1997・8・?   シマヤ 1700円
コクがあってよし。

Muscadet de S*vre & Maine sur Lie, '93, Les Vignerons de la No*lle, 12%,
1997・8・31   相定 600円
酸味があり、味も濃かった。これでこの値段は大変お買い得だった。ここで二夏は越したはずだが、品質はまったく劣化していなかった。フルーティ。

Ch*teau-Chalon, '82, Henri Maire 1632, 13%,
Vin Jaune de grande Garde, R*serve Catherine de Rye,   しまや 9100円
1997・9・6 シェリーに似た香りがあるが、もっと淡い。やはり酒精強化ではないワインのもの。 珍品だからこの値段なのではあろうが、ローカルなもののような気がする。

Haut-M*doc, '88, Ch.Cissac,
1997・9・13頃
いくらかパワーが衰えていた。

C*tes de Saint-Mont, '92, Producteurs Plaimont, 11.5%,田崎ソムリエコレクション
1997・9・??    あつた 1200円
これは出色の白ワイン。新鮮で、酸味があり。ここで二夏は過ごしているはずであるが、少しも劣化の跡はない。
エビフライとぴったりの相性だった。田崎さんは味の分かる人だ!

C*te de Beaune-Villages, '85, Leroy, 13%, 蔵人 3320円
1997・9・18
うーむ。やはり少し衰えているのであろうか。ブルゴーニュの鮮やかな華に、少し濁りが来ているような感じがした。立ち上るような芳香はなかった。
最近、データ入力も遅れがちであるし、テースティングもいい加減。高価なワインがもったいない。

Saar, Ockfener Scharzberg(Gro*lage), Sp*tlese Riesling, '83, Winzerverein Irsch,Erzeugerabf*llung in '85,
1997・9・26     高崎屋 0円
以前に一度飲んだものと同じ。劣化の影もない。酸味があり、味があり、ふくらみがあり、大変おいしかった。しかし、一気に飲んでしまって二日酔いになるのはよくない。

Marsannay "Les Vaudenelles", '90, Dom.Bruno Clair(Viticulteur), 13%,
1997・10・2     蔵人 2420円 ミツミからの流れもの
初日は堅かったが、翌日になると軟らかくなり、香りも立ち上ってきた。
パーカーさんによると「濡れた犬の匂い」がするワインだそうだが、そんな匂いはしなかった。フルーティーな葡萄の香りと花のような香りが交ざったような心地よい香りだった。味は軽めだがこくがあった。色が美しい。ブルゴーニュワインはやはり素敵だ。

Beferno Rosso, '94, Mol* Di Majo Norante, 12%,
1997・10・9    大越 1000円
微々発泡性。よくあるイタリアの、バルトリーノなんかに似た軽口で、薄い酸味を持った赤ワイン。身はそんなに薄いばかりでもないが、特に個性もない。アンダーソンには載っているが、ジョンソンには無視されている。不味くはない。ピザなんかにはいいか。

Vin de Pays du Var, '95, Viognier, mise en bouteille au Dom.de Triennes, 12%,
1997・10・11   しまや 1870円
悪いものではないが、ちょうどヴァン・ド・ペイのシャルドネがブルゴーニュのものに比べるとずっと月並みなものであるように、この百パーセント・ヴィオニエの白ワインも、コンドリュの魅力は持ち合わせていない。
コンドリュ−とも合い通じるヴィオニエ独特の風味は確かにあった。しかしコンドリューにあった蜜のような、ビロードのような舌触りや、繊細な風味には欠ける。しかし、このワインそのものは、なかなかいい辛口白ワインではある。軽いがフレッシュでいい感じのワイン。

Hermitage, '91, Chante-Alouette, M.Chapoutier, 13.9%,
1997・10・16   やまや 3000円
色が濃い。まさに黄金色のワイン。香りはいわゆる「華の咲いたような」ものではないが、熟成した甘い香りがする。口に含むとカラメルのような、砂糖を焦がしたような甘い香りがした。味は徹底して辛口だが、ねっとりとしたこくがある。かなりアルコール感のあるパンチのきいたワイン。ジョンソンさんは「頭にくる」ワインといっているがまさにそんな感じ。しかし、粗野な感じはまったくなく、洗練された風味。シャプティエのクローズ・エルミタージュにはいささかがっかりしたのだが、このワインはすばらしい。
ボルドーの赤を思わせるずっしりとした味がある。これは高い糖度、アルコール度のゆえなのか。カベルネの茎の香りがするような気がするのだが。鼻ではなく、口の中で感じる強い香りがする。ボルドーの香り。ちょっとまだ粗な感じの強い甘さが残っている。久しぶりに強烈なインパクトのあるワインを飲んだ。三千円でこれが飲めるとすれば安いといえるのではないか。

Haut-M*doc, '86, Barons Edmond Benjamin de Rothschild, 12.5%, 高崎屋 2000円

Dolcetto d'Alba, '95, Terre del Barolo(Castiglione Falletto), 12%, 
1997・11  船橋東武 1800円

St.Emilion, 1er Grand Cru Class*, '78, Ch.Canon(Fournier), 蔵人 9000円
1997・11
全く独自の個性を持った最高クラスのサン・テミリオンで、メルローの厚みとは異なり、軽みさえ感じさせる。僕はすっかりこのワインのファンになってしまいそうである。

Tursan, '93, Ch.de Bachen, 柳屋 1880円
1997・11
ストラクチャーとしてはローヌの白に似た、しっかりとしてフラットな重みのあるワイン。色が濃く、味も濃い。酸味には乏しいが、アルコール感がある。


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