ワインの評価 1996年1月〜9月

 

Sauvignon blanc, '94, 12%, Tocornal社(チリ) ジャスコ 398円
1996・2・25
酸味の効いた非常によいワイン。

Pinot Noir Blanc, '90, 13.5%, Matua Valley社、
Blush from Pinot Noir & a small percentage of Chardonnay
1996・3・11 あつた 1600円
倉庫の整理をしていたら、6年も経ったブラッシュが出てきたので慌てて開けた。コルクにはいっぱい酒石が着いている。きっともう駄目になっているだろうと覚悟していた。グラスに注ぐと、驚いたことにブランデーを思わせるような見事な飴色になっていた。そして口に含むとこれがいい。甘くないブラッシュで酸味が強く感じられる。香りは微かだが強く、素晴らしい。記憶にある香りである。味は、渋みあり、辛味ありで、いい味をだしている。ニュージーランドのワインはこれで二本目。二本目にして、評価は急上昇した。ブラッシュという製法の可能性にも刮目している。

Bergerac Moelleux, Ch.le Vigneau, '93, 500mlで550円
1996・3・26日頃。
AOCはBergeracでMoelleuxはつかない。あまりきつくない甘口でおいしかった。
葡萄はセミヨンとソーヴィニョンの混醸であろう。

Cotes de Castillon, Ch. Chantegrive,'89, 12%, 1280円
1996・3・30
メルロー種であろう。開けてすぐはいくらか渋みを感じたが、よく熟していた。

Nothern Sonoma, E&J Gallo, Cabernet Sauvignon, '85, 13%, 3000円 今はなき有楽町西武の酒蔵で
1996・4・27
まだ少し渋みが残っていた。味は直線的な気がした。

Ch*teauneuf du Pape, Dom.de Saint Pr*fert, '90, 13%, 白。
1996・4・27
旨い。こくのある辛口。酸も甘味も芳香も強くない。地味な味だがしっかりとした造り。

Mittelmosel, Trittenheimer Apotheke, Riesling, Kabiett, 8%, '89, 90年城詰
Weingut Bollig-Lehnert, 相定 390円
1996・5・3
halbtrocken,あまり甘いとは感じない、仄かな甘味。フルーティ。酸味がしっかりあって秀れたワイン。超お買い得。

Santa Barbara County, Los Olivos Vinyard自家産, Qup*, Marsanne, 94, 12.5%,
1996・5・12   やまや 2000円
まず鼻で花のような芳香を感じる。次に口に含むと膨らみのある芳香を感じる。甘くはないが、刺激味のない軟らかいワイン。むしろ脆弱といってもいいくらい。長持ちしそうな感じはしない。だからHermitage では、Roussanne を混ぜて造りを強化しているのであろう。

Saint-V*ran, M.Vincent et Fils - Ch.de Fuiss*, '92,城詰 13% 良酒 1980円
1996・5・19
微かに発泡している。酸を効かせたさわやかな造り。マコンではシャルドネをこんなふうにも造っているのかという清新な感じ。

Erdener Treppchen Riesling Auslese, '88,城詰 8% 大林 2000円
Weingut Sanit*tsrat Dr.Hermann, *rzig・Erden Lieser
1996・5・19
これは開けるのが早すぎた。もっと熟成させたら黄金の雫となっていたであろうに。
色は琥珀色、糖分が残っているが、まだ熟れ切っていない。

Macon, Cave de Vignerons de Mancey, '86, 高崎屋 只でもらった。
1996・5・24
店晒しのワインを只でもらってきた。コルクが駄目になっていて、臭いが移っていたのが残念。これはさすがに古過ぎたようで、味が分解していた。にもかかわらず私は楽しんで飲んだ。

Chianti Classico Riserva, Montiverdi社 '88, 13% 高崎屋 1700円
1996・5・26
香りはいつものイタリアの赤のごとく酸味があった。明るいルビー色。とても暖かいワイン。おいしいことはおいしいが、これは日常ワインの造りで、クラシコ・リゼルヴァから期待していたような黒い長熟型のものではなかった。

Saar, Ockener Scharzberg(集合畑),Riesling, Sp*tlese, '83, 85年城詰
Winzerverein Irsch-Ockfen,   高崎屋 kostenlos,
1996・5・26
完全に熟し切っている。黄金の雫。例えて言うと古漬け。とにかく美味い。ドイツワインの偉大さを感じさせてくれる逸品。

Alsace, Sylvaner, '86, L*on Beyer, 高崎屋 kostenlos,
1996・5・31
色は熟したドイツワインと同じように蜂蜜色になっている。ただ香りは既に妙に酸っぱくなっている。味はうっすらと苦みがさす。腐敗しているわけではないが、甘味が全くないのがいけない。口に含んだときの豊かな膨らみはあるのだ。これで甘ささえあれば素晴らしく感じるだろう。
蜂蜜色という表現には単なる比喩以上の意味があるかもしれない。このワインは色だけではない何かを蜂蜜と共有している。

Graves, Cuv*e de la Commanderie du Bontemps, '85,  高崎屋 kostenlos,
1996・6・7
上のアルザスのシルヴァーナーほどは酸化していない。まだなんとか飲める味にとどまっている。私はボルドーの白を過小評価していたのかもしれない。というよりグラーヴの水準というものをまだ十分知らないでいるだけなのかもしれない。苦みの他多様な味の成分が含まれているが私には分析できない。アシェットには蜜蜂の蝋と書いてあるが分からない。あと割りと強い酸味がある。いわゆるコクのあるワインとは違うと思うが、高級白ワインの一つのタイプであると言っていいと思う。
葡萄の品種はソーヴィニョンが主体であろう。プイイ・フュメでは<ブラン・フュメ>について火打ち石のような味がするとよく言われるが、このワインもそれなのであろうか。

Lirac, Domaine les Garriques, '85, 高崎屋 kostenlos, シラー種が主体。
1996・6・7
いまもって渋みが残っている、シラー種恐るべし。アシェットには樽を使って熟成させていると書いてある。そのせいか、重みというよりは厚みのあるワインとなっている。実にどっしりとした、風格さえあるワインとなっている。色は濃いが黒くはない、美しい。

Gavi, '93, 12%, La Chiara社, 高崎屋 1100円くらい
1996・6・15
よくあるイタリアの白ワインと区別するような個性はない。軽く、フルーティで、微発泡なのでさわやか。夏向き。まずまず。相場が高すぎるというジョンソンさんの意見には全く共感。

Fixin, '88, 13%, Domaine Pierre Gelin,  良酒 1980円
1996・6・15
超がっかり。軽すぎる。香りもたいしたことなかったし。
パーカーは四つ星を付けている生産者。では年号が悪いのだろうか。

RG, Schlo* Johannisberg Riesling Kabinett, '83, Furst von Metternich - Winneburg'sche Dom*ne Rotlack,  84年城詰 高崎屋 5000円のものを只で入手。
1996・6・15
黄金色までは行かず、黄緑色であった。まだ甘味と果実味が残っていた。極上。

Condrieu 白 '93 E.Guigal  13.5%
1996・6・28 Die wutende Akane hat die Flasche geoffnet.
酸が少ないので若く飲まなくてはならないとパーカーは説明している。口に含んだときの香りが良い。全く独特の凝集された味。甘い訳ではないが、蜜や、干した果物を思わせる後味、舌触り。

Bourgogne Hautes Cotes de Nuits, 12%, '91, Dom.Michel Gros, 良酒 2080円
1996・6・29
しっかりしたアルコールのある上質のブルゴーニュ。度数が高いわけではないのに、こうした感覚をもつのはなぜであろうか。ブルゴーニュの赤を飲んでこうした感覚を味わうのは初めてではない。

Marlborough, Matua Valley Wines Ltd. Shingle Peak, Riesling, '93, 12.5%,
1996・6・29 1700円 あつた
カジュアルに飲めるワイン。新鮮な酸味がたっぷりあって。二年前に、同じワイナリーのミュラー・トゥルガウが水っぽくて閉口していたが、葡萄の品種によってこうも違うのかということ。ニュージーランドのミュラー・トゥルガウはいいと聞いていたが、やはりどこでも同じということか。やはり土壌よりも葡萄の品種が優先する?
冷蔵庫にも入れずにおいて翌日飲んだらもう酸化していた。でもまだ飲める。俺は酸化したワインが好きになってしまったのか。

Australia, Mildara社、 Church Hill(ブランド名?)'91, Shiraz, Cabernet, Merlot,
1996・7・8       1500円くらい? あつた
Mildara Wines Victoriaと書いてあるが、生産地が不明確。光にかざしてみると、色が薄かったので開けてみた。樫樽貯蔵した香りがそれほど強くはないがはっきりあった。
 フランスの三大銘酒に使用される葡萄品種を混ぜ、「一本で三倍おいしい」を狙ったいかにも新大陸の合理主義に骨まで染まったワインだが、混ぜれば良いというものではなかろう。いささか個性に乏しい味。ただ、軽くて気軽に飲める味。普段に飲むものとしてはまあ良い。

VdT di Sicilia, Corvo, Duca di Salaparuta, 11.5%, インツォリア種&カタラット種
1996・7・10  西葛西河内屋 980円
いかにもテーブルワインといった感じで平板。DOCの水準には達っさないVdT。

Oltrepo'Pavese, Guarnazzola, Pinot, '94, 12.5%, Tenuta Mazzolino,
1996・7・13 やまや 1500円
ピノ、グリジョかブランか分からない。多分ブラン。酸味があってさわやか系に仕立ててあるが、こくもある。上質。果実味もある。

Beaune, '90, 12.5%, Dom.Michel Gaunoux,  2800円 良酒倉庫
1996・7・13
アルコールのしっかりした温かい感じのするワイン。味自体は悪くないが、香りは失われてしまっていた。これではブルゴーニュを飲んだ気がしない。(ただ、口に含んだときには、香りの痕跡のようなものがかすかに感じられた。)やはりブルゴーニュは若飲み、家にあるブルゴーニュをさっさとすべて飲んでしまおう。パーカー四つ星生産者。年号良し。では何故?

Bardolino Classico, '94, 12%, Il Vignale, 1280円 西葛西駅前スーパー
コルヴィーナ種、モリナーラ種、ロンディネッラ種
1996・7・17
チェリー色。やはり酸味の強いイタリアの赤ワイン。そして軽い。だがその他には特徴の乏しいワインでもある。パーカーさんが無視しているのも分かる気がする。

Grande Toque de C*tes du Luberon, Selection du Cellier de Marrenon,
La Tour d'Aigues, France, '93, 12%,   780円 あつた
1996・7・22
これは寄せ集めワイン、樽買い、あるいは葡萄買いワインである。
いま23日に少し冷やして飲んでいるが、やはり適温にして飲まなくてはいけない。昨日は室温で飲んだ。熱いと温かく感じるが、同時にアルコールを強く感じてしまう。
ローヌなのだが、カリニャンを多く使っているのであろうか?まず色が濃い。収縮性の渋みと酸味を強く感じる。渋みはカリニャンであるとして、酸味はサンソーであろうか?それは必ずしもすぐに否定的な評価にはつながらないのだが、ほんのかすかに、いやな甘味を感じてしまう。この甘味がすべてを駄目にしている。このワイン、アシェットにまで載っているが、それにしてはまずい。リュベロン、本当にA0Cに値するのか?

RH, Oppenheimer Sacktrager Riesling Kabinett, '86, 87年城詰
Weingut Geschwister Schuch,  高崎屋 0円
1996・7・26
コルクはすっかり水に浸ったようになって変質している。そのコルクの色が出るということがあるのか、ワインの色がすっかり紅茶色、あるいは麦茶色になっている。香りはアモンティリャードのもの、つまり酸化したワインのもの。それともこれは水に戻した椎茸の味と香りに近い?だが味は素晴らしい。なんといってもこの酸味が素晴らしい。これは林檎の酸味のような鋭さがある。甘味は直接的には感じないが、ふっくらとした感じがあるので、ある程度残っているのだろう。
香りも素晴らしい。このちょっと燻したような、酸化した香りが何とも言えない魅力となっている。
ただ料理には何にも合いそうにない。
とにかくリースリンクの強健さには驚嘆するほかない。畑の良さにもよるのであろうか。リースリンクが病み付きになりそう。
僕はアモンティリャードよりも熟成酸化したリースリンクのほうがいい。シェリーはブランディを添加して作るという点が、決定的にマイナスなのである。
僕がこのオッペンハイムのリースリンクが気に入った最大の理由の一つは、これが甘くないということである。

M*doc, Ch.Haut-Canteloup, Cru Bourgeois, '76, 城詰 E.Samiac, 2880円 蔵人
1996・7・28
大ジョンソンにはグラン・ブルジョワとあるが間違いであろう。20年ものの貫禄を感じさせる熟した煉瓦色。香りは熟したカベルネのもの。生木っぽくって、酸っぱさがある。あと新しい樽の香りがした。熟成具合はどんぴしゃりの飲み頃。渋みや酸味は程よく消えて、まろやかな味わいになっていた。これほど完熟したボルドーを飲んだことがあっただろうか。ACメドックのマイナーなシャトーでも、20年保つということは、76年産のボルドーの優秀さの証明。

Bernkastel-Kueser Kardinalsberg, Riesling, Spatlese, '86, 87城詰
Weingut Werner Herges,  高崎屋 2000円→0円
1996・7・28
これもまた美味い。どんぴしゃりの熟成具合。色はまだ黄金色というまでにはなっていないが、黄緑色になっている。味はたっぷりとした味わいを湛えていた。いままで高崎屋からもらって抜栓したものは、酸化してはいるが美味いというものだったが、これは通常の状態での熟成で頂点にたったものである。まだほんのりとした甘味を含んでいた。

Cousi*o-Macul, Antiguas Reservas, '87, Cabernet Sauvignon, Maipo?, 12.5%,
1996・8・1     いまは無き有楽町西武の酒蔵 1900円
コルクがぐずぐずになってしまっていて刺したスクリューが抜けてしまうので、ナイフで切り取った。唖然。まだまだ十分しっかりしているワイン。色は鮮明なチェリー色で、まだ古びた色にはなっていない。液体の流れ足がかなり重たい。カベルネ特有の酸っぱい香りがする。新しい樽をかなり使っているように思えるが、その香りがワイン全体とよく調和している。飲むと酸っぱいことは酸っぱいが、鋭い酸っぱさはもう和らぎかけている。もうしばらくは置いておけたかもしれないが、いまが飲み頃だったと思う。ボルドーの高級シャトーのように、あと十年置いておくことは無理だったのではと思う。やはり内容の豊かさでまだ劣る。パーカーさんのチリワインの項では四つ星だが、もしボルドーの項に入っていたらどの程度の評価であったろうか。

Chassagne-Montrachet, 一級畑 Les Caillerets, '90, Ren* Lequin-Colin, 13.5%,
1996・8・10  蔵人 2980円
色は普通。流れ足は重たい。芳香は明らかにシャルドネのもの。柑橘系の若い香りから、桃のような熟した香りへと変化するまさにその転換期にあるワイン。味はよいが、もっと繊細さを期待していた。やはりシャサーニュはピュリニーに比べるといささか繊細さにかけるのだろうか。飲み比べてみる必要あり。しかしやはり一級品のブルゴーニュの白は素晴らしい。
オーストラリアのシャルドネと比べると確かに格上のものであるとは思うが、格上のものものになるための諸要素が、まとまった一つのものになりきれていない。僕はもっと*ligな白ワインを期待しているのであるが。

Saint-Est*phe, Ch.Haut-Marbuzet, GBE, '70, (H.Duboscq) 城詰 やまや8000円
1996・8・10
CS50%、Mer40%、CF10%。ジョンソンにはメルロー60%と書いてある。おそらくペッパーコーンのデータのほうが新しいのであろう。だがこの古いヴァンテージは、メルローの比重が高かった頃のものなのではなかろうか。
古い年代のボルドーということで古色蒼然たるワインを期待していたのだが、若々しい印象のワインだったのでちょっと驚いた。ただし熟成はまさにピークで、色は光にかざすと美しいオレンジ色であった。カベルネの古いものはおそらくもっと違う味なのだろうが、大きなジョンソンによると、若い赤ワインには鳥獣肉、それから牛などの赤身肉、そして古いものには鳥などの軽い肉をあわせるとよいということなので、赤は年ふるにつれてまろやかに、柔らかくなっていくということか。たしかにこのワインのやわらかな味は素晴らしい。
新樽100%とあるが、全く気付かなかった。
僕は結局メルローがあまり好きではないのであろうか。だが生産者もメルローの比重を下げ、カベルネを増やす判断をしたということは、僕が感じたのと同じ問題意識を持ったということなのではないか。

Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico, '94, 12%, Monte Schiavo,
1996・8・16   さり船橋店 1000円
どうも同じ会社で、畑そのものを所有しているものもあるようであるから、これは樽買いのワインなのではなかろうか。イタリアでは生産者元詰めの表示は明確ではない。でも逆に畑の名前を書く習慣がないので、書いてないだけかもしれない。
きれいな淡い黄緑色。香りが良い。若々しい果実香(柑橘系)。少し苦みのある味が特徴的でなかなかいける。後味もほのかに甘味を感じるこころよいもの。ラベルにはアプリコットのようと形容してあったが、たしかにこの甘味は桃系の果実を思わせる。以前飲んだヴェルディキオと比べて大変上出来だと思う。味に実がある。酸味がある。

Chassagne-Montrachet, '89, 13.5%, Henri de Villamont(Savigny-les-Beane),
1996・8・23
ブルゴーニュ・ワインの深々とした芳香を、二度三度と感じることができた。酸味が強く、また渋みもまだいくらか残っていた。つまりこのワインはまだまだ保ったということだが、フルーティさはますます減っていってしまったことだろう、すでにいくらか弱まっていたというのに。だがなんといってもブルゴーニュの赤の絶対的な魅力!
4、50分冷やしてあったのがいけなかったのだろうか。多少ぬるく感じても、香りを殺さないためにはブルゴーニュは冷やさないほうがよいのではなかろうか。
パーカーさんは違う考えである。いずれにせよ冷蔵庫で冷やすのは止めよう。氷りなしの水で冷やすくらいがよいのではないか。
また一度抜栓したのも(むろんコルクを外しっ放しにしておいたわけではないが)よくなかったかもしれない。直前に抜栓すること。

RG, Schlo* Johannisberg Riesling Kabinett, '83, F*rst von Metternich -
Winneburg'sche Dom*ne Rotlack,  84年城詰 高崎屋 5000円のものを只で入手。
1996・8・31  まず見た目に、色に深みがある。その色を見てしまうと、普通の白ワインの色が頼りなく感じられる(と思う。)グラスを顔に近付けると、良いかおりがする。
だいぶ苦みがついている。コルクから来たもの?ジョンソンさんもパーカーさんも、ここは実力を発揮しきっていないと書いてある。もっと秀れたもので本来ありえるのだろう。

Cassis, Dom.des Quatre Vents, '95, 12%,  城詰 やまや新宿店 1200円
1996・8・31
 フルーティーな味と共に、ワインを味わう時を楽しめたワインである。
以前に体験したことのある懐かしい味がする。南方の白ワイン。ただ具体的にはどこのものかはっきりとは思い出せない。ローヌにしては痩せているし、イタリアならもっと酸っぱいはずだ。苦みが味の中心である。多少水っぽい。色は非常に薄い。

Barolo, '88, Le Cesle, Poderi Scanavino, 13.5%,  高崎屋 2200円
1996・8・31
 ちょっと渋めだったが、これ以上寝かしておいても、味が良くなるわけではないであろう。
きっと、そういうワインなのであろう。本来はそんなに渋くないはずなのだが、きっと88年だからかな?
アルコール感と渋みが目立つワイン。バローロならではの香りはするが、全体としてバローロの偉大さを実感させてくれるものではない。バローロは透明感とアルコール感と香りの点で、ボルドーよりはブルゴーニュに近いものだということを感じた。

South Eastern Australia, Orlando Jacob's Creek, Shiraz Cabernet, '91, 12.5%,
1996・9・7  今は無き有楽町西武の酒蔵 1200円
酸味が強い。樽の香り、カベルネの渋みもいくらかありもう数年置いてはおけそうだが、とりわけ良くなりそうな感じもしない。シラーの柔らかさ。中位の重さ。飲めるワインではあるが、個性には乏しい。

Mittelrhein, Rh*ndorfer Drachenfels "Drachenblut" '88, 11.5%, QbA,
Jesuiter Hof(Anno 1695), Weingut Diplom-Volkswirt A.Pieper 89年城詰
1996・9・10  南越谷モンブラン 2000円
QbAをあまりにも長く持ちすぎた。色がまず高崎屋でもらってきたワインのような金時豆色(苺ジャム色ともいえる)になっている。これでは赤ワインをグラスに注いだときに感じる心のときめきは期待すべくもない。香りは酸化しながらもまだしているが、味はもうかなり変わってしまっている。ただすっぱいだけ。完全に「ばあちゃん」になってしまっている。でもおいしい。これはこれで全く違ったものとして楽しむべきなのか?

Lambrusco Reggiano, amabile, Vino Frizzante, 9.5%, Donelli社 無年号
1996・9・15  船橋東武 500円
そんなに甘くなかった。

Coteaux du Languedoc, Ch.de la Vernede, '93, 12%,  城詰 あつた 900円
1996・9・15
グルナーシュってこんなにも強く、渋く、魅力的なものであったか。シャトヌヌが、ブルゴーニュやバローロにさして引けをとらないものになり得るのももっともな気がした。
これ本当にグルナーシュ?カベルネを主体にしているのではないか?だが、だとしたら、カベルネが3年で一応飲めるものになるということか?強い酸味。
いやこの渋みはカリニャンのもののような気もする。

Gevrey-Chambertin,一級畑 Les Cazetiers, '79, Louis Latour, 13%, ハーフ・ボトル
1996・9・17  ワインを5万円以上買ったおまけに蔵人で貰う。
グラスに注いだときから実に豊かな芳香が感じられた。色は少しオレンジがかったガーネット色−つまりすでに熟成ずみということだ。グラスを回して香りをたたせると、実に高雅な香り!これが熟成させたピノ・ノワールの香りなのだろうか?初体験。とにかく一度体験すると忘れられないような感銘を与えるものである。味もまたすばらしい。実にまろやか。アルコールの温かみは感じるのだが、それでいて強さというかいやらしさは微塵も感じられず、上品でなめらか。酸味もあるが、これもまたきつさは全くなく、やわらかで上品なもの。口から喉までさらりと通り過ぎてゆく感じ。偉大なブルゴーニュの片鱗を見せてくれた宝石のようなワイン。
蔵人の店主は「もう行ってしまっている」と言っていたが、そんな感じは微塵もしない。

Barolo, '91, Pietro, Cossano Belbo, Cantine di Calamandrane, 13%,
1996・9・21  しまや 1380円
あまり良くないヴァンテージということだが、非常によくまとまっていた。バローロはやはりブルゴーニュに似ている。透明感、アンコールの感じ、などが似ている。ブルゴーニュはこれに加えて花のような薫りがあるが、バローロならではのものというと何だろう。ブルゴーニュのほうが断然高く取引されているのもむべなるかなといったところか。
とはいえこれは予想外に充実感のあるワインである。色は薄いが、まだ若いのでいくらか渋みが残っていた。もっとも五歳にしては渋みが無さすぎるが。適切な時期に開けたと言える。
けっこういける。こぎれいにまとめたワインという感じ。バローロのはっきりとした独自の特徴はしかしまだはっきりとしない。畑バローロが楽しみだ。
翌日。バローロはやはり酸味をたっぷり持っている。これは少しも不快な刺激味だったりはしないが。

Valpolicella Classico, '94, Pasqua, 12%, 船橋西武 500円
1996・9・22
船橋西武でわずか500円で出ていた。なんとコンビニでも売っていた。これは恐らくあまり出来の良くないヴィンテージを安値で放出したものが流れてきたのではなかろうか。本当は来年以降開栓しようとしていたのを開けてしまったので、まだかなり若い感じがするのは仕方ないが、これが熟れてきたからといっておいしくなったりするだろうか。またちょっと嫌なコルクの?臭いが付いている。94年のイタリアワイン要注意。
樽買いのAOCボルドー並みの味。というか最近コンビニで買って飲んだAOCボルドーと、酸味と渋みの感じが非常に似ている。ヴァルポリとボルドーが似ているなんて意外な感じがするが本当にそうなのだ。もっともヴァルポリとメドックは似ていないが。
イタリアには城詰に関する表示がないが、これなんかは樽買いなのではなかろうか?

Bordeaux Sup*rieur, Ch.Damase, '90, 12.5%,  城詰   蔵人 900円
1996・9・26   GFA les Vignobles Jean Milhade, Propri*taire * Galgon,
メルロー100%ということで買ってみたが、メルローの弱さばかりが感じられた。こくがない。
「メルローはあくまでも艶やかでグラマーでなくてはならない。」

Lalande de Pomerol, Ch.Vieille Dynastie, '90, 12%, 城詰 Guy Lafaye
1996・9・26  相定 1690円
どうしてもおいしいメルローを味わいたかったので、次のワインを開けたが、またも裏切られた。
メルローはかすかに甘く感じられるところが好きになれない。

マウレ地区Curic*県, Caliterra, '95, Chardonnay, 13.5%, サンクス 1000円
1996・9・29
コンビニで売っていたチリ・ワインだがパーカーさんにも載っている。ヴュルツィヒな芳香を強く持っている。味のバランスはとれているが、いくらか水っぽい。後味も大変スパイシー。ブルゴーニュのものとは明らかに違う個性あり。シャルドネは環境によって違った持ち味を見せてくる。flexibleな葡萄。


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