ラム


タイプ

ヘヴィ・ラム 糖蜜に、前回蒸溜された際の廃液(ダンダー)を加え、複雑発酵を起こさせたうえ、単式蒸溜器で蒸溜。オークの焦げ樽で三年以上熟成。

ミーディアム・ラム 糖蜜だけを原料(おそらくダンダーによるのではなく純粋培養酵母で発酵)に、単式蒸溜器で作る。

ライト・ラム 糖蜜を純粋培養酵母で発酵させ、連続式蒸溜器で蒸溜。

ダーク・ラム

ゴールド・ラム
色はオーク樽の樽熟によってつく。
カラメルによる着色のものもある。

ホワイト・ラム
古樽で熟成させたうえで、活性炭で脱色したもの。
グラスライニングのタンクで熟成させたもの。
樽熟成しないもの。

*1g瓶には製菓用が多い。


ラムの評価


イギリス連邦自治領ジャマイカ

ヘヴィ・タイプ 焦げ樽

キングストン市
1825 Appleton 12年 (Old Jamaica という製菓用ブランドもある)
1889 Coruba
Bonanzagram
Captain's Reserve
イギリス
Myers's
Alfred Lamb's

Myers's Original Dark
40度
輸入業者 麒麟麦酒株式会社
700ml, やまや亀戸店 2022/2/22(火)購入 1380円(税抜)
2022/2/23(水)
色は濃い琥珀色、紅茶色。
程よいラムの香り。
甘くない。
熟成不足とは思えない。
こんなものかという感じで、あまり面白みがない。
後味がイソジンを思わせた。

Myers's 40度 悪くはないがまだまだ荒削り。熟成の余地あり。


旧英領ガイアナ(Guyana)

1804 Demerara

2003/9/15
Lemon Hart Demerara, 75.5度 2380円(Always花島)
カリブ諸国に属するガイアナ共和国のデメララ川東岸にある蒸留所で造られます。


イギリス領ヴァージン・アイランド

British Navy [原酒はガイアナ(旧英領)、トリニダード、バルバドス(英連邦)]


イギリス領バミューダ島

ハミルトン市
1862 Bacardi (創業はキューバ) ライト・ラム


イギリス連邦トリニダード・トバゴ(Trinidad and Tobago)

1919 Fernandes Distillers 瓶にFernandes Distillers(1973)とあるが、この数字の意味は??? ライト・ラム

2003/9/15
Fernandes 19 (Trinidad and Tobago) 40度 1170円(Always花島)
2015/7/30
購入してから12年も経ってから開栓。
香りが広がる。
アルコール辛さがある。
微かに甘みも感じる。
数あるホワイトラムの中で選ばれる一本であるのは難しいであろう。


フランス領マルチニック島

ミーディアム・タイプ

*agricole=自家農園の砂糖黍を絞り、新鮮なジュースを醗酵、蒸溜したものに付けられる形容詞。要するに砂糖を採った絞り粕ではないということ。
*Grappe Blanche:白い房。樽熟成しないホワイト・ラム。

1765 Saint James *agricole ダンダー発酵、単式蒸溜機で二回蒸溜。
La Mauny 7年 *agricole
フォール・ド・フランス市
1779 Dillon(Bardinet) Tres Vieux 12年 45度 *agricole
ル・フランソワ
1887 Clement 6年 *agricole 連続式蒸溜機
サン・ピエール町
Montagne Pelee年号 *agricole
ル・カルベ村
J.Bally 年号 *agricole
フランス
Duquesne 10年
ボルドー市
Negrita(Bardinet) 製菓用
Bonnal 製菓用
ル・アーヴル
Valois 製菓用

Saint James Imp*rial Plantation Rhum Blanc 40度 3000円
強烈な癖。ラムとは本来こういうものだと知るために、一度飲む必要のある酒。
Velho Barreiro程は甘くない?基本的には同じ味。

Dillon Tres Vieux 1975年製造 12年 45度 *agricole 4000円 大越
ラムとはこんなにも繊細なものであったのかと全く感じ入る一品。「下手なコニャックよりも」と誰かが言う声がすぐにも聞こえてきそう。これにはコニャックに共通するものがある。やはりフランス人が作った酒である。だがそれ故に僕は、コニャックに対する不満と同じ不満を、このデリカな酒にもぶつけたいのである。これは甘い。いくら砂糖黍が原料とはいえ蒸留したアルコールが甘いはずはないから、おそらくこれも砂糖を添加しているのであろう。僕はこのフランス人形(もっと巧い比喩はない?)のようなのでない、もっと厳しいラム酒を飲んでみたい。

Rhum Vieux Agricole, AOC Martinque, Trois Rivieres, 1991, 42度, 蔵人4580円
2002/5/26
アルコール辛い。Dillon Tres Vieuxのようなコニャックに近い甘さや繊細さを感じない。
2018/1/4
再テイスティング。
色は濃い。
香りは甘やか。
16年前に感じたアルコール辛さは、年月のせいで抜けたのではないか。
「Dillon Tres Vieuxのようなコニャックに近い甘さや繊細さを感じない。」という16年前の感想は間違いない。
かといって重厚感がある訳でもない。
しかし、家で長期熟成させたことによるプラスは何かあるような気がする。
自分のラムに関する経験の乏しさか、これ以上のことは言えない。


ハイチ(旧フランス領)

ミーディアム・タイプ

1862 Barbancourt 15年


オランダ領アルバ島

フレンスブルク市
1868 Hansen


プエルト・リコ(アメリカの自由連合州)

ライト・ラム

カムイ町
1860 Ronrico
ボンセ
Serralles 社 Don Q
Captain Morgan Rum社

Ronrico White 40度
飲みごたえのあるホワイトラム。このホワイトラムにはいわゆるラムの香りは全くない。質感は非常に濃厚で充実した味わい。原料に由来する微かな甘味を感じる。→本当に原料に由来する甘味?加糖しているのではないのか?

2003/9/15
Ronrico Spiced Rum, 32.75度 1280円(Always花島)
ほんのりしたミルクのような甘さが耐えがたい。
Captain Morgan Original Spiced Rumの方がずっと飲めた。

Captain Morgan Original Spiced Rum with Spice and other Natural Flavors, 35%,
ハッピーマート 1185円
これはひどいものを買った。ラム本体の味としてはこくが無く、ラム特有の甘さがある。そしてスパイス味というよりは、薬品ぽい感じがする。


アメリカ領ヴァージン諸島セント・クロイ島

Carioca (シェンレー系)


キューバ

ライト・ラム

Havana Club 7年
40度
添加物 カラメル色素
「ハバナクラブ七年はキューバで七年以上の熟成を経たラムをブレンドして作られたダーク・ラム。その味わいの秘密は、製造ごとに決められた量を再び樽に戻し、幾年もかけ更なる熟成を経た後、未来のハバナクラブ七年加えられ受け継がれることにあります。」
これはダンダーを加えているという意味なのであろうか。
輸入業者 ベルノ・リカール・ジャパン
700ml, やまや亀戸店 2021/4/15(木)購入 2380円(税抜)
2021/4/16(金)
瓶から甘い香りが立ち昇る。
琥珀色ではあるが色は薄目。
口当たりは軟らかい。
味にも甘みを感じる。これはカラメルからも来ているのであろうか。
軽みがある。
まずまずの飲み物ではないか。
ブランデーともウィスキーとも異なるラムならではの味わいというのはあるのだろうか。

1878 Havana Club 3年、5年、7年

Havana Club Gold 5年 40度 2780円 軽く、中身の薄い酒。


メキシコ

Mocambo(モカンボ) 15年
Licores Veracruz
Ron Anejo, Barrica unica
40度
輸入業者 コルドンヴェール
500ml, やまや亀戸店 2021/4/15(木)購入 3280円(税抜)
2021/4/15(木)
マデイラのような色。
アルコール辛さは殆どない。
しかし木樽の渋さがだいぶ残っている。
ヨロピアンホワイトオーク樽使用だそうだが、十五年も熟成させてこれなら、樽の使い方をもう少し考えた方がいいのではなかろうか。
2023/10/4(水)
これにもやはり、ナッツやドライフルーツが入ったかのような甘い味を感じる。
しかし飲感はあっさりしている。


旧スペイン領グアテマラ

Ron Botran 12年

Ron Zacapa 23年 砂糖黍の絞り汁をそのまま発酵蒸溜。
Ron Zacapa Japan (ロン サカパ)
ロン サカパについて
Guatemala Story「グアテマラの物語」
グアテマラの地勢や気候、標高に加え、マスターブレンダーによる細やかな生産管理によって、世界で最も美味しいラムと言われるロン サカパを造ることが出来ます。
ロン サカパは「雲の上で熟成したラム」として有名ですが、実はその物語は非常に標高の低い場所、海抜229mから始まります。
The story begins in the town of Zacapa
全てはサカパの街から生まれた
海抜229m、グアテマラ東部にサカパという街があります。
1976年、サカパ市は創立100周年を迎えました。この歴史的な出来事を祝うため、
グアテマラ最大のラム酒造会社は、特別なラムを創ることにしました。
これまで長年積み重ねられた専門知識と技術を駆使することにより、ユニークなウルトラプレミアム・ラムが生まれました。
それが、ロン サカパです。
A sweeter, more balanced foundation
唯一無二の甘さとバランス
世界中を見渡しても、グアテマラ南岸ほどサトウキビの栽培に適した土地はありません。
世界のほとんどのラムがモラセス(砂糖を精製した後に残った糖蜜)を使用して造られていますが、ロン サカパは違います。
より甘く、スムーズな味わいを生み出すため、ロン サカパは凝縮させたサトウキビの一番搾り汁だけを使って造られます。
これは「バージン・シュガーケイン・ハニー」と呼ばれ、ロン サカパの唯一無二な味わいの土台となるのです。
The definition of character
アロマの決め手
発酵では、パイナップルから抽出した独自の酵母(サッカロマイセス・セレヴィシエ)を使用しています。
この独自の酵母は、ロン サカパのユニークなアロマの元となるため、最新の注意を払いながらゆっくりと発酵させます。
蒸留では、不純物を取り除きつつ風味を加えるために銅で裏打ちした、一つの蒸留塔のみを使用します。
また、絶妙なバランスを生み出すため、全行程を熟練した技術者が厳格に管理しています。
A symbol of pride on every bottle
ロン サカパのボトルに巻かれたペタテは、マヤ文明の時代から脈々と受け継がれるグアテマラの伝統工芸で、ロン サカパのボトルに同じものが二つとないことを証明しています。
ペタテは、古代マヤ王朝における時と空間、大地と空の融合の象徴として、古代マヤ人の末裔が暮らす三つの村で、一つ一つ全て手編みで作られています。
Ascend above the clouds
ロン サカパの物語のフィナーレは、海抜2300mにある「雲の上の家」で行なわれます。
世界で最も標高が高い熟成庫であるこの素晴らしい場所で、ロン サカパの複雑な味わいとキャラクターはゆっくりと完成されます。
山岳地帯では空気が薄く、気圧が低いことによって、樽の味わいをしっかりと得ることができます。
ロン サカパ独自の深い色味と香味、芳醇な味わいは、この類稀な場所でのみ完成されます。
The luxury of time
ロン サカパの熟成には、独自のソレラ・システムを使用します。
このシステムは、スペインで500年前から続くシェリーワインの熟成方法にヒントを得て、独自に開発したものです。
ラムを異なる種類の樽で熟成させることによって、一つ一つの樽の持つ多様なアロマや風味を熟成しているラムに付与することができます。
その結果、卓越したラム「ロン サカパ」が生まれます。

Ron Zacapa Centenario
Sistema Solera 23
Solera Gran Reserva
from virgin sugaur cane honey
aged at a high altitude in oak barrels
熟成第一段階 American Oak barrels
熟成第二段階 charred American Oak barrels
熟成第三段階 シェリー酒を熟成させた樽
熟成第四最終段階 Pedro Ximenez(ペドロ・ヒメネス 極甘口のシェリー酒)を熟成させた樽
40%
輸入者 ディアジオ ジャパン株式会社
2022年6月25日(土) 購入 やまや亀戸店 750ml 4780円(税抜)
2023/10/2(月)開栓
濃い琥珀色。
スペインのブランデーに似た味がする。
これは自分にとって一つの発見で、非常に納得した。
マルティニック島のラムがコニャック風であるのと同じで、旧宗主国の酒の影響を受けるのは自然の成り行きだ。
甘味が前面に出るが、更にドライフルーツを浸したかのような味がある。
最高度に美味しいラム酒。
芸術品のよう。

Ron Zacapa Centenario, 23年ものをブレンド
40%
2002/2/22購入 750ml 3580円(Always)
「砂糖黍の絞り汁をそのまま発酵蒸溜。」
これはまたラム酒について新たな知見を開くものであった。紹興酒のような色と濃度。甘さを感じるのは醗酵の残りか、後からの添加か。上のCaptain Morganとの連続性を認識した。つまりこれをある程度人工的にこしらえたのが、Captain Morganであろう。
これはガテマラの人たちにとっては、贅沢な飲み物であるのだろう。
熟成はどのような方法で行っているのか。おそらく甕であろうが。
2019/11/8
濃い琥珀色。
甘く心地よい香り。
強い甘みがある。
ラム特有の味わい。
アルコール辛さは甘さに隠された訳でもなかろうが、さっぱりない。


ベネズエラ

Pampero(1938年創業)
Ron extra anejo, Aniversario, Reserva Exclusiva
40度
輸入者 MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ株式会社
700ml, やまや亀戸店 2021/4/25(日)購入 2980円(税抜)
「二種類のアメリカンオーク樽を使用」
「単式蒸留により生まれた複雑な味わいは最高6年間長期熟成され独特の深い色合いに変化します。」
2021/4/25(日)
必要もなく革袋などに入れられている。
濃い琥珀色。
香りは特に強くない。
飲むと甘味がある。
熟成したラムの味が強くする。
生の樽の渋さを感じはするが、熟成され切っていると言っていい。
アルコール辛さなどはない。
旨い酒と言える。
2023/10/5(木)
まだ木の樽の渋みが残っている。
やはり微かにだがスペインブランデー風の甘い味が感じられる。

Diplomatico Reserva Exclusiva, Ron Antiguo
40度
輸入者 ウィスク・イー
700ml, やまや亀戸店 2021/6/3(木)購入 4280円(税抜)
公式サイト「最大12年の熟成を経たスピリッツをブレンド」
2021/6/4(金)
色は濃いめの琥珀色か。
甘やかな香りが広がる。
すっかりこなれた飲感(食感という言葉に対応して自作した語彙)。
甘みが強い。ここまで甘いと好みの問題が出て来るだろう。
あるサイトからの引用「ディプロマティコは、1959年創業のウニダス蒸溜所でつくられる、スムースな口当たりとコクのある甘みが特長のベネズエラ産プレミアムラムです。
一般的なスペイン系ラムは糖蜜を発酵させ、コラムスチルで蒸溜後、シェリーの熟成方法であるソレラ方式で熟成しますが、ディプロマティコは異なります。原料は糖蜜の他にサトウキビジュースを煮詰めたシュガーケイン ハニーを使用。また蒸溜器はコラムスチル1種ではなく、カナディアンウイスキーで使用される珍しいバッチケトル、スコッチウイスキーの蒸溜に用いられるポットスチルの3種を使用しています。
各蒸溜器から生まれるスピリッツそれぞれをオーク樽で熟成した「ライト」、「セミヘビー」、「ヘビー」の3タイプのラムをブレンドすることで、ディプロマティコが誕生します。「ライト」タイプの華やかさ、「ヘビー」タイプの深い味わい、そしてこの2つをスムースにつなげてくれる「セミヘビー」タイプ。これら3つのブレンド比率を変え、調和させることで味わいの変化に富んだラムをつくりだしています。
テイスティングコメント : レセルバ エクスクルーシバは、全生産量の7割近くを占めるフラグシップアイテム。オレンジピール、メープルシロップ、リコリス、トフィーファッジが広がる芳醇で複雑な味わいのスーパープレミアムダークラム。華やかさがあり、決して重すぎず洗練された味わいは世界60カ国で親しまれています。」
2023/10/6(金)
匂いからして甘い。
これにもまだ木樽の渋みが幾らか残っている。
上の引用にソレラ方式ではないと書いてあるが、テイストはやはり、スペインブランデーの範囲にある。


ブラジルのピンガ(アグアルデンテ・デ・カナ)
すべての銘柄が、砂糖黍の絞り汁をそのまま発酵蒸溜したもの。

Nega Fulo
Pirassnunga 51
Velho Barreiro 41度
Tatuzinho
Pontal

Velho Barreiro 41度 良酒倉庫
なんとも旨い。甘やかな旨味が本当にたっぷりとある。不快な引っ掛かりなど微塵もない。熟成が永いとも思えない、蒸溜技術がよほど秀れているのであろう。
これは蒸溜後の製品に加糖しているのではないであろうか?机に垂らして蒸発させると、跡がべとべとする。


フィリピン
マニラ市
1902 Tondena


インド
モハン・ミーキン社のOld Monk 7年


モーリシャス島

Green Island


バハマなどでも生産されている。


インドネシア、バタヴィア地方
バタヴィア・アラックは砂糖黍を原料としている。


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