千葉県のラーメン屋探訪記2005年

2005/1/8
本八幡・名代ねぎそば月梅(ユーメイ)
揚げ餃子 500円。具がぎっしりで旨い!
塩ねぎそば 600円。
具は刻み葱だけ。葱と茹でもやしは入れ放題。
葱が良く香っている。
よく茹だった中太ストレート麺。いかにも中華麺といった感じの麺。
極めてシンプルな塩スープ。この上なくシンプルなラーメン。
なのに、行列は出来ていないが、客はひっきりなし。
本に拠れば、刻み葱をのせて、それにラー油で味付けするらしい。

2005/1/29
市川・ひさご亭
創業五十年を越えるとネットの情報にあった。
戦後の雰囲気を残す狭苦しい店舗長屋の中。
店主が調理しながらタバコを吸っていた。
タンメン600円
半餃子(3個)350円を追加したらセットになり900円。
上に載った野菜はモヤシ、人参、韮、キャベツで、肉気なし。
麺は灌水の黄色い色の強い中太縮れ。
なかなか美味しく、地元の人に人気があるのは分かる。
ただスープの味が飲むには強過ぎないか。
名物の特大餃子はニンニクが効いていた。
しかし皮がなぜか甘く、好きになれない味だった。

2005/2/10
本八幡・かっぱ
らーめん 600円
薄口で頼む。
店内ジャズが流れ、カウンターには煮干がざる一杯と、人参、たまねぎなどの野菜や昆布が置いてある。
小松菜。刻み葱。
大きな海苔一枚。海苔は魚介系のスープに合う。
三枚肉の煮豚一切れ、周りを炙ってある。脂身が多過ぎ。
中細ストレート麺(浅草開化楼)、醤油の色が染み込んでいる。麺が弱い。
濃い醤油の色、煮干の香りが支配的なスープ。
動物系の味の弱いあっさりスープで旨い。
標準でメンマを入れないのは良いと思う。
玉子も無くて構わないが、全体として具は少なめ。味も油の少ないあっさり目なので、ヴォリュームとして物足りなく感じる人もいると思う。
それゆえの全部入り、かっぱスペシャルか。

2005/2/14
京成千葉線みどり台・中華創房希林
希林冬季限定トンコツラーメン 714円
レンコンチップス!揚げ葱も。
浅葱と普通葱小口、玉葱。
背脂まで。
どでかいチャーシュー3枚。肉類過多。
色の異様に濃いメンマ。味は甘め、甘くて量が多くて迷惑。
黄色い細ストレート麺。ソーメンのような弾力感がある。柔らか過ぎ。
意外にも節の香り。
豚骨醤油、醤油の色が濃い。塩気が強過ぎてスープが飲めない。
喫煙する客が多く閉口。

2005/2/15
市川駅ビル内・らーめん専門店ぶぶか
油そば 580円
メンマ、小口葱、チャーシュー、海苔一枚。
極太麺(竹田製麺)が活きている。麺が旨い。
チェーン店だがしっかり茹でていた。
タレも良し。
ただ普通のスープラーメンと値段が同じというのは、スープのコストはどうなっているのか。
油麺というジャンルについて。これなら自分でも作れるという気がする。
やはりわざわざラーメン屋に出掛けて行くのは、スープゆえなのだ。

2005/2/22
なりたけ津田沼店
醤油 600円
メンマ、刻み葱、茹でもやし、茹で豚、背脂。
飲んだ後、夜中に、久し振りになりたけに来た。
ラーメンに関する自分の知識・経験が増えた今、あらためて食べてみると、見えてくるものも多い。
なりたけはラーメン二郎に似ている。
なりたけは東京醤油とラーメン二郎の中間点にある。
刻み葱、メンマは東京醤油の跡を残している。
茹で豚はそれほどでもないが、大量の茹でもやしは二郎に近い。
手製のもちもち感のある麺は旨く、二郎に匹敵するし、背脂ばかりではなく、醤油のスープの味も二郎に通じるものがある。
ただ二郎には味噌はないが、なりたけにはある。私はなりたけの味噌をあまり評価していない。二郎の方が、店のコンセプトが、より絞り込まれている気がする。
とはいえ、なりたけの水準はやはり高い。
平日(火曜)の夜中だというのに、相変わらず並ばないと座れない。
客は正直である。私のように名前や評判を聞いて出掛けて来る人間ばかりではない。長く行列店であるにはそれなりの理由があるのだ。

2005/2/25
本八幡・魂麺まつい
魂麺 600円
小口葱、メンマ、ほうれん草。
海苔一枚は上質。
煮豚小三枚は周りを炙ってある。
極細ストレート麺。透明感があり、弾力がある。
色の薄い醤油味。
伝統的な東京醤油と何が違うのだろう。
千葉ラーメン四天王の一人が出した店ということで期待していたが、大いに失望。
金曜夜七時というのに客は他に一人。それももっともなこと。
皿ワンタン 200円。具があまり旨くない。

2005/3/7
ちばき屋・シャポー船橋店
支那そば 650円
香りの良い海苔一枚。
小口、刻み葱。かいわれ。メンマ。
チャーシュー一枚。
極細ストレート麺。
醤油の色は薄い。
化調の味。ラーメンの堕落の始まり。
駅ビルでの支店、途中休息なしということで、危惧してはいたが。
有名な半熟玉子はデフォールトでは付いていなかった。

2005/3/11
本八幡・菜
豚骨醤油らーめん 650円
魚粉と野菜の匂いがいきなり鼻を突く。
よく茹だった小松菜が、単なる「つま」ではなく、活きている。
海苔一枚。
ローストビーフのような色合いのチャーシュー一枚。
味わいもローストビーフのようで、帰りがけに店主に確かめてしまった。絶賛の一点。
中太麺、旨みがあと一歩。
汁はキャラメルのような色で、キャラメルのような甘み。
後味がいつまでも続く幸せ。
葱などなく、具が絞り込まれているところがいい。
しかし全体の構成は家系に近い。
店内の意匠からも、フレンチ出身を意識していることが分かる。
この一杯にも繊細さが感じられる。
柔らかさを出すためだろうが、塩分はかなり控えめだった。
これを線の細さと感じる人も居るかも知れない。

2005/3/14
下総中山・九州豚骨どうたぬき
らーめん 650円
月曜夜九時半頃、店内広々としているのに客は私一人。
細ストレート麺、固茹ではよいとして、もっと旨みがあってよい。
半熟半玉子、これ自体は美味いが、ラーメンにマッチしているか?
海苔二枚、なぜ海苔が必要か?
小口、なぜ小口葱?
茹で豚二枚も何なのか?
胡麻粒もどうしてなんだろう?
スープは悪くないのだが、結局何をしたいのか分からない。
いったいどういうラーメンを作りたいのか、一から組み立て直す必要があるのではないか。

2005/3/24
稲毛・旨麺
パイタンベース排骨(パーコー)麺 900円
スープを手鍋で温め直してから出している。
小口葱、小松菜。
パーコー。ハムかつ、あるいは徳島のかつ天のよう。
中細縮れ麺。麺がチキンラーメンのようにちゃちい。
麺は他にも種類があるらしい。
白濁豚骨スープはとろみがあり本格的。
多少、化調を感じた。
次は坦坦でいきたい。

2005/3/25
検見川・幌
勤め先から歩いて行った。まだ二時前なのに準備中の札が出ていたので声を掛けたら入れてくれた。助かった。
幌は札幌の幌なのであろうか。
みそ 700円
野菜(もやし、ピーマン、白菜、木耳(キクラゲ)、玉葱、青菜)は炒めているが、もう少しよく炒めて欲しい気もする。この位が好みという人もいるだろうが。
炒めてない野菜が、小口葱とコーン。
それからメンマ。このメンマは美味しい。
胡麻粒。
分厚いチャーシューは本格的。
西山の中細縮れ麺はしっかりしている。量は少なめだが。
スープも美味しい。
ここは醤油も行けるのではないか。

2005/3/29
千葉中央・幸福軒
幸福ラーメン 600円
九州とんこつラーメン。
店内、豚骨のすえた臭い。
あさつき。海苔一枚。
キクラゲの量が多い。
チャーシュー一枚、固め、薄味。
細から中細ストレート、固め、加水率は低い。麺は特においしくもない。
とんこつと鶏骨を17時間煮たというスープの色は濃い。滋味深く、実においしい。
テーブルに置いてある紅生姜は安物。

2005/4/6
本八幡・らーめん源太 駅前館
らーめん(豚骨魚だし) 600円
背脂は普通で注文。
海苔一枚、茹でモヤシ、半玉子、メンマ、小口葱。
煮豚、特に美味しくない。
スープに挽肉が入っているようである。
具などはおおよそ背脂系の標準である。
中太麺、自家製。スープとの絡みが不十分。というよりスープの味が薄過ぎる。
テーブルの上に「らーめんタレ」が置いてあって、それや豆板醤、ニンニクで味を調えて食べた。これはいかがなものであろうか。最初からベストの味で出すべきである。
ラーメン屋にはよく、客に味の好みを聞くということがある。
しかし例えば野菜炒めで、味が薄かったら塩を掛けてくれなどと言えるであろうか。
ラーメンでは後からタレを入れたりスープを足したりで味の調整が可能であるからそうしているのであろうが、味を決めるのはあくまでも調理人の仕事なのである。テーブルにタレを置いて、それで調味してくれとは、職務放棄である。
一見、客の要望によく耳を傾ける開かれた店ですという印象を持たせるが、実はそれは自分の味覚に対する自信の無さでしかないのである。
無論、味の濃さなどに対しては客の好みにもばらつきはあるから、客を逃さないために客の要望を個別に聞きたくなるのは分かるが、調理人とは本来、自分の味で勝負しなくてはならないものなのである。
出汁はしっかりとってあるようだが。

2005/4/12
六角家・船橋駅ビル店
らーめん 600円
麺の固さ、味の濃さ、油の量、全て普通で注文。
海苔三枚。
チャーシュー一枚。
ほうれん草。
太麺。軟らかい。味は特にどうということもない。
今まで家系に抱いていたイメージと少し違う。
豚骨醤油らしくないという気がする。
白濁豚骨ではないのだろうか?
化調を多少使っている?
スープは旨い。やはり水準は高い。

2005/5/11
稲毛・こってりらーめん えんたん
店主は「なりたけ」出身。
正油らーめん 600円
メンマ。
茹でもやし、しゃきしゃき。
その上に小口葱が載っている。
薄くて広くて丸い茹で豚一枚。
背脂たっぷり、背脂ぷりぷり、背脂が旨い。
手打ちラーメン、細目。悪くはないが、もっと太めでヴォリューム感があっていいのでは。背脂系では麺をたっぷり、もぐもぐ喰うというのが楽しみなのだが。
醤油味は濃い目。
豆板醤、にんにくを入れて食べた。良く合う。
上出来。
稲毛に居ながら「なりたけ」の味が食べられるのはありがたい。
ガムのサービスは要らないが。

2005/5/20
千葉駅と千葉中央駅の間・横浜らーめん酒々井家
らーめん並盛 580円
大判のり3枚、半熟玉子半個、ほうれん草、刻み葱。
太麺ストレート、柔らか目。多少茹で過ぎ。麺自体は噛み応えがあって良さそうなのだが。
チャーシュー一枚。柔らかいが繊維質も強い。
強い鶏の臭い。
味は薄めか。
塩の味がはっきりする。
あらためて家系というのは、非常によくできたラーメンの型だと思う。
海苔や野菜など、一つ一つの主張もはっきりしている。
この店も悪くないが、もう一段上があるはず。

2005/9/29
京成大久保・札幌らーめん パンケ
みそ 750円
もやし、玉葱、キャベツ、細切り人参、キクラゲ。軽く炒めてある。まだしゃきしゃきしている。
コーンのトッピング。
白い葱の小口、沢山。
メンマ、ちょっと甘くて味がある。
チャーシュー一枚。厚切り、脂多め。
胡麻粒。
西山製麺、空輸、中細縮れ麺。黄色い。空輸するほどの物?近場で調達できないのか。
味噌スープは味が濃過ぎず良し。
七味とブラックペッパーを少々振った。
セルフの水をテーブルに置いて欲しい。

2005/10/12
稲毛海岸・麺屋 蔵乃助 Zaru!
むつみ屋がなくなった後にできた店
スタミナらぁめん 800円
太麺。これは悪くない。
炒めたモヤシ、人参、キクラゲ。
白髪葱。上に乗っているニンニクはどうしてあるのか。
チャーシュー。
背脂。
別皿で生卵。
とりあえずおいしかったが、玉子はオプションでよい。
炒めた野菜を乗せるというのは、札幌味噌ラーメンの方法だが、他でも大いに使ってよいはずだ。
背脂との組み合わせといい、全体としての独創性は高く評価できる。

2005/10/31
ラーメン二郎・京成大久保店
ミニラーメン 500円
店内学生で満員。自分はそれほどではなかったが、僕の後には七人程の行列ができていた。
背脂。
極太麺。シュペッツレのような食感の自家製麺。麺に醤油が染み込んでいる。
薄い醤油色のスープ。何に由来するのか分からない微かな甘みと、醤油の酸味を感じる。
茹でキャベツにモヤシ。野菜がうまい!
厚い茹で豚二枚。豚肉を食べているという手応えがある。
野菜にしても豚にしても、素朴に茹でただけという感じが良い。
注文時にニンニクを入れるかと聞かれる。卸しニンニクではなく刻みニンニクだった。テーブルの上には細かく刻んだ唐辛子。
これらにしても素材の味をよりストレートに感じようとしている。
このラーメンを食べたいときに食べられる大学生がうらやましい。

2005/11/4
稲毛・拉麺 力王(国道14号沿い・元の三楽改め)
豚骨醤油 550円
海苔一枚、メンマ、チャーシュー、茎ワカメ、背脂、葱、揚げ葱。
細ストレート麺、茹で過ぎ。自家製麺が全く活きていない。

2005/11/26
津田沼・北海道ラーメン好旭川
国府台時代に行って以来。移転したと知り、再訪。
塩ラーメン 700円
旭川と言えば醤油であるが、看板で塩を一番、大きく書いているので。
「豚骨、鯵の焼き干しと貝柱のスープ。旭川麺、麺の水分を飛ばした卵麺。山加加藤ラーメン工場」
大判海苔一枚。ゆでもやし。ワカメ。水菜。小口葱。削り節。
厚いチャーシュー。ラーメンには不釣合いな位、立派な味。
色の黄色い細麺。もう少し固茹ででよい。麺の茹で具合が全体の満足度をかなり低くしている。細麺ではなく、とん麺か太麺にしておくべきだったか。
鯵なのだろうが、魚介の香りがする。
濁った薄いキャラメル色のスープ。
豚骨と魚介のスープは確かに美味いが、味の全体像が今ひとつ絞り込み切れていない気がする。

2005/11/27
市川・麺家市政
らーめん 600円
醤油の濃さ、鶏脂の量、麺の茹で加減はすべて普通で頼む。
太麺、うまい、もちもちしてコシがある。スープの絡みもよい。
茹でホウレン草もよくスープを吸っている。
チャーシュー二枚もうまい、うまい。
大判海苔三枚も香り良し。
鶏脂の香りも良い。
スープを飲むと、葱の辛味がピリッと効いている。
スープの味に鋤焼きに近い何かがある。肉を煮た後の汁。
素晴らしく大満足の一杯であった。
家系はレベルが高い。

2005/12/16
千葉・台湾料理天天
担仔麺(台湾ラーメン) 600円
もやし、しゃきしゃき。
にら、挽肉、刻み葱。
ツルッとした黄色目の中太手打ち麺。噛むと粘り気が強い。腰が強い。
スープは全くの白湯。強めの味。強過ぎ。
水が不味くて閉口。

2005/12/16の翌朝二時頃。
博多一風堂千葉中央店
アッサリとんこつ白丸元味 650円
夜中だというのに満席。
キクラゲ。
しゃきしゃきモヤシ。なんで博多ラーメンにしゃきしゃきモヤシ?
浅葱ではなく、青葱小口、辛い。
チャーシュー。
テーブルの胡麻を入れた。
極細ストレート麺。
「アッサリ」と書いてあるのだから文句の言いようもないが、あっさりし過ぎている。
最後、スープはトロミがあっておいしい。

2005/12/19
本八幡・九州大牟田柳屋ラーメン(一茶庵の近く)
白 600円
「豚の頭、鳥のガラ、背脂、腹脂を超強火で16時間煮出し」
キクラゲ。青葱、小口。大判海苔一枚。チャーシュー一枚。
極細ストレート麺、加水率低く固め。
粘度の高いスープ。塩味が強すぎる。
普通の博多ラーメン。
テーブルの紅生姜が安っぽい。
ここはチェーン店で、日本各地で店舗展開しているようだ。


千葉県のラーメン屋探訪記2006年

清水真哉のラーメン

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