> イワシの発酵食品だったかの世界一臭い缶詰食品の話を読んだか
> 聞いたかした折りには、食文化もすさまじいものがあるなと、
> 感じ入ったものです。
>
> NHKの「ようこそ、先輩」で故郷の小学校に行って、
> このかんずめ、開けていましたよ。スエーデンだったかな?
>
> 子ども達は、すっげええ!!クッッサーーイ!!と教室から
> コホコホとやってましたね。しかし、そのイワシを食べると、
> 「美味しい」と子供達は言うんですよ。
> 面白いですね。
清水と申します。
この世界一臭い缶詰は、シュールストレミングといいます。
(小泉武夫『人はこうして美味の食を手に入れた』河出書房新書P107)
材料は、鰯ではなく、鰊(ニシン)です。
ヨーロッパは、南はオイル・サーディンやアンチョビに
代表されるように鰯がメインですが、北は、ニシンです。
昨年夏、北欧を旅行した時に、ストックホルムの
スーパーマーケットで、半ば膨張した缶詰の山を見つけた時には、
これだ!と叫び、直ちに一缶購入しました。
その後、ストックホルム郊外の湖畔に出掛けた折りに、
缶をビニール袋の中に入れ、そこに手を差し込み、
ヨーロッパ式の使い難い缶切りで開缶しました。
猛烈な悪臭を伴った液が吹き出してくるところまでは、予想の
範囲だったのですが、開けた途端に、どこから湧き出してきたのか、
蝿が大量に寄ってきたのには困惑しました。
醗酵ニシンをクラッカーの上に乗せて、
アクアヴィットという北欧のスパイス入りウォッカを啜りながら
食べましたが、蝿との絶えざる闘いでした。
同行者は、近寄ろうともせず、蛮行に励む私を、ひたすら写真に
収めておりました。
さて問題の味のほうですが、とにかく悪臭がするので、
まず、嗅覚と味覚を分離して働かせる才が欲しく思いました。
味は、塩味、炭酸味、旨味とありましたが、
初めてこの世界有数の臭い食べ物を食べた私の直感では、
北海道産カマンベールと、本家本元のカマンベールの味に天地の
違いがあるように、スーパーで売っているようなものではない、
もっと上質の、すっかり醗酵が済んだ、味の熟れきった
シュールストレミングがあるに違いないと思いました。
美味しくなかった訳ではありませんが、もっと上があると
睨んだという次第です。
再びスウェーデンに行く機会があったら、もう一度食べてみたいと
思いますが、室内で開缶することは厳禁なので、
人気の無い場所を探すのがちょっと億劫です。
それでは。